スマイリーキクチ――2009年02月05日

スマイリーキクチ「ブログ」炎上させた18人立件へ
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090206-OHT1T00069.htm
ヨン様の物まねなどで知られるお笑い芸人・スマイリーキクチ(37)のブログに、本人が殺人事件の犯人であるかのような書き込みをしたとして、警視庁中野署は5日までに、17〜45歳の男女計18人を名誉棄損の疑いで書類送検する方針を固めた。また、別の1人が既に脅迫容疑で送検されている。10年前から、同様の誹謗(ひぼう)中傷を受けてきたスマイリーは「全くの事実無根です」とコメントした。
 もう笑ってはすまされない。長年にわたり、殺人犯であるかのように誹謗中傷されてきたスマイリーは「全くの事実無根」と断言。「このままでは、私のみならず、家族や友人・知人に不安な思いをさせてしまうと考え、被害届を出させていただきました」とコメントした。
 スマイリーが犯人扱いされた事件は、1988年に東京都足立区で起きた「女子高生コンクリート詰め殺人」。足立区出身で犯人と同世代だったことだけを理由に、スマイリーを殺人者に仕立てあげる動きは、99年頃から始まった。「スマイリーは犯人である」「犯人の知り合いである」「事件のことを笑いのネタにした」「被害者の名誉を傷つける発言をした」などの書き込みは、その後もネット社会で拡大、都市伝説化していった。
 悪質な書き込みが後を絶たないため、ブログは2〜3年前に一時閉鎖。このとき、スマイリーは中傷コメントを削除しすぎて「腱鞘(けんしょう)炎」になったという。昨年1月に再開したが、すぐに「人殺しがなんで芸人をやっているんだ」などいう書き込みが、数百件も相次いだ。中野署は特に悪質な書き込みをした人物を特定。立件に踏み切るとしている。
 書類送検される方針となったのは札幌市の女子高生(17)、千葉県松戸市の男(35)、大阪府高槻市の男(45)ら男女計18人。逮捕容疑は昨年1月から4月にかけて、事実無根の内容をブログのコメント欄に書き込んだ名誉棄損の疑い。これとは別に、神奈川県内の派遣社員の女(29)が、昨年12月に「殺してやる」などと殺害予告ともとれる脅迫を書き込んだ疑いで、既に書類送検されている。
 所属事務所では「(スマイリーが)『足立区出身の元不良』を売り文句にしていた」とした一部情報を「事実ではありません」とし、スマイリーの芸風を「にこやかな笑顔で鋭く切る漫談」とした。報道を受け、スマイリーのブログには激励のコメントが殺到している。
 著名人のブログに批判や中傷が大量に書き込まれる状況は「炎上」と呼ばれ、風評被害やブログの封鎖などに追い込まれる例が後を絶たない。》

▼ブログ炎上事件でスマイリー「被害に遭ったのは自分」
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/flash/KFullFlash20090205099.html
《芸能人のブログ炎上事件で、お笑いタレントのスマイリーキクチ(37)が五日、被害に遭ったのが自分であることを明らかにした上で「今後このようなことがないよう願っています」とのコメントを出した。
 警視庁は、スマイリーキクチが東京都足立区で起きた女子高生コンクリート詰め殺人事件に関与したかのような事実無根の内容がブログに書き込まれたとして、警視庁が名誉棄損容疑などで計19人の立件を決めた。
 スマイリーキクチは「約十年間にわたって匿名の人から誹謗中傷の被害を受け、生命の危機を感じる内容にまでエスカレートしました」と説明。「このままでは生活や仕事に影響があるのみならず、家族や友人に不安な思いをさせてしまうと考え、被害届を出しました」としている。》

▼ブログ炎上、被害タレント名を公表
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20090206nt06.htm
《男性タレントのブログが悪意の書き込みで炎上した事件を巡って、被害者のスマイリーキクチさん(37)が5日、被害に遭ったのは自分であると公表したうえで、所属事務所を通じ、「このままでは仕事に影響し、家族も不安にさせるので警察に届けた」とするコメントを発表した。
 それによると、スマイリーキクチさんは約10年にわたって、東京・足立区の女子高生コンクリート詰め殺人事件(1989年)に関与したとする事実無根の中傷をインターネット上に書き込まれ、「殺害予告とも受け取れる内容にまでエスカレートした」としている。
 スマイリーキクチさんの被害届を受け、警視庁は今月4日、本人のブログに「殺す」と書き込んだ川崎市派遣社員の女(29)を脅迫容疑で書類送検し、「人殺しが何で芸人やるんだ」などと書き込んだ17歳から45歳までの男女18人については来週にも名誉棄損容疑で書類送検する方針。
 所属事務所のホームページによると、スマイリーキクチさんは93年、お笑いタレントとしてデビュー。NHKの「爆笑オンエアバトル」などのバラエティー番組のほか、大手家電メーカーの広告にも出演した。》

▼「10年間ネットで中傷」――スマイリーキクチさんがブログで告白 「炎上で摘発」報道受け
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0902/06/news031.html
《お笑いタレントのスマイリーキクチさんが2月5日、自身のブログで、「約10年間にわたってネット掲示板などで匿名者から誹謗(ひぼう)中傷を受けてきた」と告白した。ネット上でキクチさんを中傷する書き込みをしたとして、警視庁が男女18人を名誉毀損容疑で近く書類送検するという報道を受けたもの。一部の報道に間違いがあったことも指摘している。
 ブログによると、キクチさんはネット掲示板で中傷を受けてきたほか、2008年1月のブログ開設以来、毎日コメント欄に中傷が書かれ、「殺害予告とも受け取れる内容にまでエスカレートしていた」という。
 中傷の内容は、キクチさんを過去に起きた事件の犯人扱いしたり、その事件をお笑いのネタにしたと非難したり、キクチさんが暴走族にいた経験があると決めつけるもので、それぞれ「全くの事実無根」と改めて否定している。
 キクチさんはこれまで、公式サイトやブログで中傷を否定し、掲示板に削除依頼もしてきたが、悪意のある書き込みは続き、所属事務所や仕事先にまで中傷のメールや電話があったため、「このままでは私自身の生活・仕事に影響があるだけでなく家族や友人に不安な思いをさせてしまう」と考え、警察と相談して被害届を出したという。
 また、今回の件を伝える報道の一部に「誤解を招く表現があった」と指摘。「『所属事務所が足立区出身の元不良として売り出した』という記事があったが、そのようなことはありません」などと訂正している。》

▼摘発者出たが…まだまだ続出「ネット暴力」の深い闇
http://www.zakzak.co.jp/top/200902/t2009020611_all.html
《警視庁の摘発第1号となったお笑いタレント、スマイリーキクチ(37)=本名・菊池聡=のブログ炎上事件。キクチはブログ開設前も、ネット上の掲示板などで「人殺し」などと約10年間にわたって中傷を受け続けていた。今回の摘発により一定の抑止効果を期待する声もあるが、「まだまだ被害は続出する」と危惧する専門家も多い。ネットの世界には深い闇が広がっている。
 キクチは6日、警察に被害届を出したことについて「生命の危険を感じた」などと文書でコメントした。ある芸能関係者は「芸能人は顔を売るのが商売なのに、文書で回答した点に問題の根深さがある。対応を間違えると二次被害も起きかねない。それほどネットの“暴力”は恐ろしいということです」と語る。
 ブログを持つ人なら多かれ少なかれ、心ないコメントに胸を痛めた経験があるはずだ。コメントする側はうっぷん晴らし、あるいは軽口のつもりでも、受けた側のストレスは大きい。実害が発生することもある。キクチも「私自身の生活・仕事に影響」があったと述べている。
 ウェブコンサルタントの伊地知晋一氏はネットの暴力について次のように語る。
 「とくに、イメージが大切な著名人や企業は深刻なダメージを受けることが多い。ブログが直接の原因ではないが、歌手・倖田來未の『羊水腐る』発言はネットで火がつき、仕事をすべてキャンセルする結果になった。毎日新聞が英文サイトに不適切な記事を載せた問題もネットで炎上し、多大な損害を与えた。韓国では、芸能人の自殺者まで出ている」
 伊地知氏によると、「炎上」はターゲットを見つけて執拗に書き込みなどを行う「ネットストーカー」が扇動するケースが多いという。「今回書類送検された18人は、まさにそうした人たち」と伊地知氏。不気味なのは、18人の性別や年齢、職業、居住地にまったく共通性がないこと。逆に言えば、「誰でも加害者になりうる」(同)ということだ。
 甲南大大学院の園田寿教授は「ネットの書き込みといえども、根拠の乏しい中傷には法的責任が伴うという判決が先月下ったばかり。炎上の被害にあった時は、すぐに警察かプロバイダーに連絡するべきです」とアドバイスする。ネット上の書き込みには必ず“足跡”が残るので加害者の特定は容易だからだ。だが、「それでも“ネットでは顔がバレない”と思いこんでいる初心者ユーザーは多い」(ITジャーナリスト)のが現状。「不用意な人たちによる稚拙な犯罪は繰り返されるだろう」(同)という。》

▼ブログ炎上事件のコメント欄 なぜ閉鎖しなかったのか
http://www.j-cast.com/2009/02/06035584.html
《ブログ炎上事件で、お笑い男性タレントのスマイリーキクチさんは、中傷や脅迫が相次ぐ中でコメント欄を4か月近く閉鎖していなかった。ファンとのコミュニケーションを重視したからとみられている。コメント欄は閉鎖すべきだったのだろうか。
ブログのコメント欄は通常、開設者が希望すれば、閉鎖することができる。警視庁が摘発に着手した今回の炎上事件では、スマイリーキクチさん (37)は、アメーバブログを開設した2008年1月から4月までコメント欄を開放。その間、「殺す」などといった脅迫も含め、書き込みが相次ぐ「炎上」現象が続いていた。東京・足立区の女子高生コンクリート詰め殺人事件の犯人と勝手に決めつけられたわけだ。
アメブロを運営するサイバーエージェントによると、スマイリーさんについても、著名人ブログの標準サービスとして、同社の監視体制を敷いていた。しかし、当時は、書き込みはすべて反映され、誹謗・中傷などが見つかれば、15分以内に削除するシステムになっていた。このため、短時間ではあるが、名誉毀損にもなりうる書き込みが多くの人の目に触れることになった。
コンクリ詰め殺人と関連づける誹謗・中傷は、10年ほど前から続いていた。その結果、事務所ホームページの掲示板が炎上して、数年前に掲示板が閉鎖に追い込まれている。
事件報道について説明したブログの09年2月5日付日記でも、所属事務所の太田プロダクションの報道発表でも、その点については触れていない。ただ、関係者は、「コメントを書き込みたいのに掲載されないと、逆に腹を立てて逆恨みされます」と漏らす。閉鎖しても2ちゃんねるなどに飛び火するだけと考えた面もあるようだ。また、事務所掲示板が閉鎖され、ファンとのコミュニケーションの場をこれ以上失いたくないとの思いもあったらしい。
もっとも、コメント欄を閉鎖しなかったことで、誹謗・中傷に寛容と見なされた可能性はある。
ネット上の問題に詳しい紀藤正樹弁護士は、2009年2月6日発行の東京スポーツの記事で、ブログなら削除やコメント禁止などの対処法があったため、警視庁が名誉毀損の疑いのある18人を逮捕せずに、書類送検する方針に留めたとの見方を示している。スマイリーさんが対処不可能な2ちゃんねるなどへの一方的な書き込みなら、逮捕していたはずだというのだ。
一方で、「炎上」対策も進んでいる。アメブロでは、08年5月から、著名人ブログのコメントが事前承認システムになった。監視会社がチェックして問題がなければ、30分以内に反映されるものだ。もちろん、問題があれば削除される。スマイリーさんについては、誹謗・中傷が相次いだため、特別に前倒しして4月から事前承認制になっている。運営するサイバーエージェントでは、「今は安心できるブログ運営になっており、炎上などはありません」としている。
また、ヤフーでは、ブログやニュースのコメント欄では、同社によるパトロールや読者からの申告システムはあるが、書き込みはいったんすべて反映される。その一方で、ブログでは、ユーザーIDに責任が持たされており、ニュースでは、09年2月5日から、コメント欄に「私はそう思わない」のボタンが加えられ、ユーザーIDの一部も公開することになった。このため、広報担当者は、「誹謗・中傷に対する牽制効果があり、これまでに炎上などは聞いていません」と話している。》

▼「10年間ネットで中傷被害」スマイリーキクチがブログで事件経緯
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/02/06/22357.html
《お笑い芸人のスマイリーキクチさんは5日、約10年間にわたりネット上の掲示板などで誹謗中傷の被害を受けていたことを明らかにした。スマイリーキクチさんのブログに「人殺し」などと中傷する書き込みをした男女18人に対して、警視庁中野署が名誉毀損容疑で書類送検する方針を固めたとする報道を受け、自らのブログで事件の経緯を説明した。
 ブログでは、約10年間にわたって「過去におきた刑事事件の犯人である」や「事件の事をお笑いのネタにした」などと中傷を受けたことを告白するとともに、全くの事実無根であると説明。2008年8月にはブログで否定したにもかかわらず中傷は続いたという。さらに、書籍などでスマイリーキクチさんを連想させる表現で、事件の犯人であるかのような書き方をされたことが、ネット上の誹謗中傷の根拠になっていたとした。
 これらの一連の中傷は、「私自身の生命の危機を感じる」殺害予告にまでエスカレート。その結果、ネット上のみならず、事務所や仕事先までに誹謗中傷のメールや電話があり、「このままでは私自身の生活・仕事に影響があるのみならず、家族や友人に不安な思いをさせてしまう」という考えから、警察と相談の上で被害届を出したとしている。
 このほか、今回の事件に関する一部報道で誤解を招くおそれがあったとして、「所属事務所が足立区出身の元不良として売り出した」という報道の内容を否定。さらに、「4月にブログが炎上して閉鎖」という内容について、「炎上したのは、事務所のホームページの掲示板」「ブログを休止したのは、5月」と事実関係を明らかにした。
 また、ブログを休止した理由については、「僕に対する誹謗中傷が書込まれている掲示板への削除依頼をしていましたが、クリックのみの対応でしかできないため、腱鞘炎になってしまい自らブログを1カ月間休止しました」と事情を説明している。
 警視庁によれば、1989年に足立区で起きた女子高生コンクリート詰め殺人事件に関与したとの書き込みが相次いでいたという。警察が事実無根の誹謗中傷を繰り返したブログ閲覧者を一斉摘発するのは初めてとしている。》

▼【ブログ炎上】匿名でも本人特定 接続履歴から立件
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090206/crm0902062315060-n1.htm
《お笑い芸人のスマイリーキクチさん(37)のブログが、「人殺し」などと中傷する書き込みで“炎上”した問題で、警視庁が名誉棄損容疑で立件対象とした男女18人は、プロバイダー(接続事業者)に残された履歴などから書き込み主として特定された。匿名性が高いネット社会でも書き込み主の特定は可能で、プロバイダー側の情報開示への協力も進む。一方、不特定多数が利用するネットカフェでは特定が難航するケースもあり、業界側の協力が不可欠となっている。
 スマイリーさんの事件で、警視庁が書き込み主の特定に活用したのは、ネット上の“住所”を示す「IPアドレス」。ブログへの書き込みで残されたアドレスからプロバイダーや携帯電話会社を特定し、履歴の情報開示を受けて個人にたどりついた。
 プロバイダー側は「通信の秘密」を理由に情報開示に消極的だったが、殺人や爆破予告の社会問題化に伴い、捜査当局に協力。平成14年にはプロバイダー責任制限法が施行され、被害者個人がプロバイダーに情報開示を求めることも可能となり、ネット上の人権を守る動きは高まっている。
 スマイリーさんを中傷したのは数十人に上るが、摘発対象の18人は自宅や職場のパソコン、携帯を使っていたことが動かぬ証拠となった。IT業界に詳しいコラムニストの宮脇睦さんは「摘発してくれと言っているようなもの。名誉棄損の意識がなく、(殺人に関与したという)事実無根の書き込みを信じ、ゆがんだ社会正義で後に続いている」と指摘する。
 一方、ネットカフェでは接続場所が判明しても、個人の特定に至ることが難しい。利用者を特定するためには、「最終的に防犯カメラや利用者リストが必要」(警視庁幹部)だからだ。
 このため、警視庁は東京都内のネットカフェに利用者の身分確認の徹底を求めているが、足並みはそろっていない。
 業界全体の半分にあたる約1400店舗が加盟する「日本複合カフェ協会」では、約9割が身分証の提示と会員制を導入。だが、非加盟の店舗では「一回だけの利用者も多い」「自由な空間を保たないと集客に影響が出る」などとし、身分確認の徹底に難色を示す。
 捜査幹部は「今後、悪意のある書き込みをしたい利用者が、身分確認のない店舗に流れることも予想される」と警戒している。》

▼「炎上、見たことある」56%、「参加したことある」7% ニコ動ユーザー調査
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0902/09/news047.html
ニワンゴは2月9日、ブログなどに批判や中傷が殺到する「炎上」について、ニコニコ動画ユーザーにアンケート調査した結果を発表した。炎上を見たことがある人は56%、参加したことがある人は7%だった。
 スマイリーキクチさんのブログなどに中傷を書き込んだとして、警視庁が男女18人を名誉毀損容疑で書類送検するという報道を受けて6日、「ニコ割アンケート」で調査し、6万106人から回答を得た。
 炎上を見たことが「よくある」人は12%、「たまにある」は27%、「1、2度ある」は17%で、合計56%の人が「見たことがある」と答えた。
 炎上しているブログ記事などの批判や攻撃に参加したことが「よくある」人は2%、「たまにある」人は2%、「1、2度ある」人は3%で、計7%が参加したことがあると答えている。
 ニコニコ動画で、動画投稿者に対する中傷コメントが問題になった際、「ひどいものは警察が取り締まってもいい」と考える人は29%、「運営が対応すべきで、警察がすべきではない」は63%、「言論の自由を尊重し、警察も運営も取り締まってはいけない」は8%だった。》