トンデモな使い方――2009年02月08日

▼ケータイが発火? 「トンデモ使用」だけじゃない商品事故の実態
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/090208/dst0902081800004-n1.htm
《「そんな使い方をするのか?」。平成19年5月に始まった事故情報の報告・公表制度を運用する経済産業省製品事故対策室の担当者は、そう驚く。
 経産省では、原因が製品によるものではないと考えられ、学識経験者や弁護士、消費者団体でつくる第三者委員会の審議に回される事案についても公表しているが、この中には、消費者側の使い方に問題のある「トンデモ事故」が紛れ込んでいることがある。
 昨年8月、静岡県内の女性が、アイスクリームを作るためドライアイスをフードプロセッサーで粉砕していたところ、気化するドライアイスの圧力でガラス容器が破裂。破片で顔などに重傷を負う事故が起きた。
 インターネットでは「瞬間にアイスクリームができる」として、牛乳などの材料と粉末状にしたドライアイスを混ぜてつくるという誤った情報が紹介されており、女性はこれに挑戦したとみられる。
 経産省の担当者は「ドライアイスは氷ではなく、二酸化炭素を固化したもの。急激に膨張するので密閉した容器に入れると危険」とあきれる。
 “想定外”の事故は、学校現場でもあった。東京都内の私立高校の文化祭で、ガスボンベが爆発、生徒ら15人がやけどを負う事故が昨年9月に起きた。
 同校のサッカー部員が、模擬店で2台並べたカセットコンロに1枚の鉄板を載せて焼きそばを調理しており、鉄板の中央付近に位置していたガスボンベが、逃げ場のなくなった鉄板の熱で高温になり、爆発したのだ。
 製品事故情報の報告・公表制度が始まって以降、経産省が受け付けた事故は約2400件。このうち約2割が消費者の誤使用・不注意などによるものだ。
 石油ストーブを消火しないまま給油のためタンクを抜き、こぼれた灯油に引火した事故、ガスグリルや電子レンジ内の掃除を怠ったことによる発火など、消費者が原因となる事例には、「横着さ」が事故につながったとみられるものも目立つ。
 経産省の担当者は「取り扱い説明書をよく読まない人も多いが、ばかにしないで、禁止されていることはしっかり守ってほしい。横着は駄目。きちんと製品を使うのも消費者の責任だ」と訴える。
 ただ、「2割」という数字は、裏返せば、8割は製品起因の可能性があるということ。担当者は「消費者は、事故だと思ったら躊躇(ちゅうちょ)しないでメーカーなどに相談してほしい。それが次の事故を防ぐことになる」と話す。》