波乱の一週間――2009年02月16日

G7共同声明 成長・雇用に政策総動員 財政一斉で出動
http://www.nikkei.co.jp/sp2/nt20/20090214NS2C1400G114022009.html
《ローマで開いた主要7カ国(G7財務相中央銀行総裁会議は14日午後(日本時間同日深夜)、「成長と雇用を支え、金融部門の強化にあらゆる政策手段を使って協働する」と明記した共同声明を採択して閉幕した。声明では日米欧がマイナス成長に陥るなど、世界経済の悪化が2009年いっぱい続きかねないことに強い懸念を表明。世界経済と金融市場の安定を最優先させ、各国一斉の財政出動など政策を総動員する決意を示した。自由貿易堅持のため、保護主義の回避でも一致。各国は今後、対策の迅速な実行を問われる。
 G7会議は14日朝から2日目の本会合に移り、金融システムや景気の立て直し策を集中討議した。各国は世界経済の現状について「金融の混乱がいまや実体経済をとらえ、世界中に広がった」と懸念を表明。厳しい景気後退が大規模な雇用喪失を招いているとして、共同声明に「国内需要と雇用創出を刺激するため、各国が財政政策を前倒しし、迅速に実施する」と盛り込んだ。》

▼米GM、労使交渉が決裂 再建計画の策定、暗礁に
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090215AT1D1500615022009.html
《米政府に提出する経営再建計画を巡る米ゼネラル・モーターズ(GM)と全米自動車労組(UAW)の労働条件改定交渉が決裂した。複数の米メディアが 14日報じた。同じく政府支援を求めているクライスラーもUAWとの交渉が難航。両社にとってUAWの譲歩を引き出せるかは政府支援を得る上で最重要課題だったが、17日の提出期限を目前に控え、計画策定自体が暗礁に乗り上げた形になった。
 ロイター通信などによると、GMとUAWの担当者間の協議は米時間13日夜に決裂。14日夜段階で再交渉入りのめどは立っていない。クライスラーの協議もほとんど進展していないという。
 交渉の最大の焦点は、UAW主導で運営している退職者向け医療保険基金にGMが拠出金をどれだけ出すか。GMは現在、同基金に約200億ドル(約1兆8000億円)の現金を拠出する義務を負っている。しかし昨年12月、政府が金融支援の条件として、拠出金の半分をGM株式で賄うよう要求。GMは再建計画提出を控えUAWの合意を取り付ける必要があった。》

▼日本の「失われた10年」、米国が得るべき教訓
http://www.afpbb.com/article/economy/2571961/3802512
《景気は後退。金融システムはぼろぼろ。政府は巨額の財政支出で危機からの脱出を模索。こんな状況に覚えがあるかと聞かれれば「イエス」と答える国がある。日本だ。
 米政府は景気後退の悪化と長期化を防ぐため数千億ドル規模の景気対策を準備しているが、日本経済の専門家は、日本の経験から、財政支出拡大によって「痛み」が和らぐ可能性はあると指摘する。
 豪マッコーリー証券(Macquarie Securities)東京支店のチーフエコノミスト、リチャード・ジェラム(Richard Jerram)氏は、「一般的に金融刺激策はかなり効果的だといえる」と語る。しかし日本では、財政出動は無駄な事業に使われることが多かったうえ、政府が銀行セクターの問題に取り組むのが遅れたと指摘する。さらに日本政府は景気回復の兆しがみえるたびに対策の手を緩めてしまった。
 米国にとって真の問題は、「金融システムの改善に決意を持って取り組めるかどうかだ」とジェラム氏は語る。経済が好転すると金融機関の問題も改善したかのように見えるかもしれないが、銀行の問題が本当に解決しないかぎり、「金融刺激策の勢いがなくなると同時に金融問題は再び悪化する」と忠告する。
 日本は巨額を投じた橋梁(きょうりょう)、ダム、高速道路、会議施設などで溢れている。これこそアジア最大の経済大国が景気後退から脱却しようとした取り組みの遺産だ。
 全労働者の1割が建設業界で働く日本では、90年代前半に膨大な公的資金がインフラ整備に投入された。
 巨額の公共投資が景気に与えた影響については現在でも意見が分かれている。米JPモルガン証券(JP Morgan Securities)の菅野雅明(Masaaki Kanno)氏は、財政出動による公共事業は「魔法の杖」ではなかったかもしれないが、衝撃を吸収するクッションの役割は果たしたと考えている。
 菅野氏は、90年代に日本から得られた第1の教訓として公共事業に経済への浮揚効果が認めらることを挙げている。ただし第2の教訓として景気刺激策による景気回復は非常に不安定で、経済が二番底へ転落することもありえると指摘する。
 財政赤字拡大を阻止するため1997年に消費税がそれまでの3%から5%に引き上げられたことをきっかけに、日本の景気は再び急速に後退してしまった。この結果、日銀(Bank of Japan)は金利を引き下げ、政府は最終的に金融機関への公的資金投入を迫られることになった。多くの専門家はこの救済策は十分に練り上げられていなかった上、遅すぎたと述べている。
 経済が回復基調に乗った00年代半ばには、構造改革を掲げた小泉純一郎(Junichiro Koizumi)首相ら歴代首相が、肥大した公共事業予算の削減に動いた。
 しかし、多くの地方は雇用を公共事業に頼っていることから公共事業予算の削減は地方自治体はもちろん、与党・自民党Liberal Democratic Party、LDP)内部から抵抗を受けることも珍しくなかった。半世紀にわたって政権の座にあった自民党はいま、今後もその立場を維持できるのか瀬戸際に立たされている。
 菅野氏は、公共事業に関連した利益団体が形成されてしまうと公共事業を中止することは非常に困難になると述べ、米国にはこの点に留意して欲しいと語った。》

▼自動車不振で36万人失業、GDP7兆円消える…第一生命研試算
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090213-OYT1T00773.htm
第一生命経済研究所は13日、世界的な販売不振を受けた減産や人員削減によって、国内の自動車関連産業の失業者が2008〜09年度の2年間で36万3000人に達し、失業率は計0・6%上昇するとの試算をまとめた。名目国内総生産(GDP)は0・7%ずつ押し下げられ、2年間で計7兆1000億円が失われるという。
 試算は、国内の自動車生産台数が07年度の1179万台から2年連続で15%ずつ減り、09年度には849万台に落ち込むと仮定した。自動車販売の落ち込みは、自動車メーカーや部品会社に加えて鉄鋼、ガラスなどの製造業、ガソリンスタンドや中古車販売店などサービス業にも打撃を与えると予想。車の販売が100万円減れば、産業全体で280万円の売り上げ減につながると分析している。》

麻生内閣支持率1ケタ台 永田町に衝撃
http://www.ntv.co.jp/news/129169.html
日本テレビが13〜15日に行った世論調査で、麻生内閣の支持率は9.7%と、1ケタ台に落ち込んだ。内閣支持率が1ケタ台にまで落ち込んだことで、永田町には衝撃が広がっている。
 麻生首相は、国民から「ノー」を突きつけられたと言っても過言ではない。自民党内からは「予算案が成立したら退陣してもらうしかない」との声が相次いでいる。
 支持率を聞いた自民党細田幹事長は「大幅に下がったねえ」と驚きを隠せない様子だった。河村官房長官は「小泉発言がそのまま結果に出たのかな」と話している。また、閣僚の一人は「打つ手がない」と嘆き、麻生首相の側近も「どうしようもない。ばん回は難しい」と語っている。ある公明党議員は「予算成立後も居座るのは国民が許さない」と突き放している。民主党鳩山幹事長は、麻生首相の退陣を求めた。
 一方、麻生首相は、予算成立後に新たな経済対策を打ち出してばん回の機会をうかがう考え。「ポスト麻生」に有力な名前が挙がってこないことが、麻生首相の唯一のよりどころとなっているとはいえ、「麻生首相では選挙で戦えない」という声は大勢になってきており、麻生首相はいよいよギリギリまで追いつめられた。 》

▼G7閉幕後に中川財務・金融担当相が会見 受け答えが記者の質問とかみ合わない場面も
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00149427.html
《イタリアのローマで開かれていたG7(先進7カ国財務相中央銀行総裁会議)は、14日に閉幕した。G7終了後の会見で、中川財務・金融担当相の受け答えが、記者の質問とかみ合わない場面があった。
記者が「今後の金融政策の展望について白川総裁にお聞きしたい」と質問したところ、中川財務・金融担当相が「な、何? もう一度言って」と聞き返した。再度、記者が同じ質問をしたところ、白川総裁が「あ、わたしに対する質問ですか」と答えた。また、中川財務・金融担当相は「ま、10月のときは、非常にガンと悪くなった。まぁ、リーマン、AIGのことも含めて、あのときに何かしなければいけないと...」と述べた。会見ではこのほか、時折、言葉に詰まる場面も見られた。》

※ちょっとショッキングな映像ですね(笑)。これは麻生政権に大きな打撃を与えるかもしれません。

▼人事官など8機関16人を提示=国会同意人事で政府
http://jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009021300423
《政府は13日午前、衆参両院の議院運営委員会両院合同代表者会議で、人事院人事官に千野境子・産経新聞社元取締役(64)を充てるなど8機関16人の国会同意人事案を提示した。17日に千野氏から所信を聴取する。人事案は、月内にも衆参本会議で採決される運びだ。》

※マスコミの「天下り」は、どう報道されるのでしょうかね?

▼事件報道のあり方 見直します 裁判員制度開始を前に
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009021502000080.html
ガイドラインは、捜査段階と裁判段階に大きく分けて、事件報道のあるべき姿を詳述。捜査段階では、「容疑者=犯人」ではないという原則をあらためて確認し、これまで以上に容疑者側の取材に努めて言い分を掲載していきます。裁判段階では、法廷でのやりとりが中心となる裁判員裁判を視野に入れ、より分かりやすい報道を心掛けます。写真や見出しについても、読者の予断や偏見を招くことがないよう注意します。》

裁判員制度のもとでは、予断を報道を与えるような報道は厳しく制限されることになります。推移無罪の原則を守るのは、大変なことだと思います。

静岡空港立ち木問題 地権者が知事に辞職要求
http://sankei.jp.msn.com/region/chubu/shizuoka/090212/szk0902120302007-n1.htm
静岡空港西側の立ち木問題をめぐり、石川嘉延知事と地権者の男性(49)=島田市湯日=が11日、県庁で面会した。問題が表面化してからは初めてという。地権者は「知事が職を辞して責任を示せば支障物件の除去を行う」などとする申し入れ書を提出。石川知事は面会後「何らかの返答を検討する」としたが、「任期中に最大限努力すべき責務がある」と述べ、応じる考えのないことを示した。》