メディア受難――2009年05月01日

テレビ朝日:開局以来初の最終赤字…3月期
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090501k0000m020066000c.html
テレビ朝日が30日発表した09年3月期連結決算は、最終損益が17億円の赤字(前期は64億円の黒字)だった。開局以来初の最終赤字となった。
 売上高は前期比2.2%減の2471億円、営業利益は79.8%減の20億円の減収減益。年間視聴率は東京エリアでTBSを抜いて3位に浮上したが、景気後退の影響で番組と番組の間に流す「スポットCM」の収入が12.1%減り、テレビ放送事業は開局以来初の19億円の営業赤字を計上した。有価証券の評価損も響いた。》

▼プロレスの物語
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/column/article.aspx?id=20090428000090
《わずかにナレーションが流れただけだった。放送時間を拡大するでもなく歴史を振り返るでもなく、何ほどもないままに終わった。55年間、日本テレビが手掛けてきたプロレス中継の地上波放送が、香川でも26日未明に幕を閉じた。
 かつてプロレスはテレビ界の主役だった。街頭時代はもちろん、家庭にテレビが普及してからもそうだった。テレビ局によってずれはあるが、ゴールデン中のゴールデンタイムとも言える週末の夜に放送されていた。
 なぜそんなに人気があったのか。ほかに娯楽が少なかったのはある。力道山ジャイアント馬場アントニオ猪木といったスターもいた。しかしそれ以上に、人々はプロレスの持つ物語性に魅了された。
 猛攻をしのぎ、最後は必殺技でなぎ倒す。人々はそこに勧善懲悪を見たり、苦難に耐える自分を重ねたりした。背景には敗戦から立ち上がり経済成長を続ける日本という物語があり、リングの中の物語に誰もがたやすく共感できた。
 しかし今、リングの外は分かりやすい物語が成立する時代ではない。経済はいつ崩れるか分からないと人々は知っている。動機の理解できない事件も相次ぐ。プロレスがどんなに物語を描いても、多くの人には真剣勝負ではない作り事としか見られなくなった。
 プロレスに再び光が当たる日は来るのだろうか。最後の放送があえて特段の儀式もなくいつも通りだったのは、テレビ局が再開への望みを捨てていないからだと、熱心なファンは信じている。》

▼TDL本、盗用された女性が声明「聖域へ土足で踏み込まれた」
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/090430/bks0904301934000-n1.htm
東京ディズニーランド(TDL)にまつわる逸話を集めたとされる「最後のパレード」(中村克著)に、自作を無断で転載された大分県在住の70代女性が30日、「小さな親切」運動本部を通じて、「大切な思い出の聖域へ土足で踏み込まれたような不快感を覚える」と中村氏と版元のサンクチュアリ・パブリッシング(東京)に抗議するメッセージを発表した。
 女性は、元のエピソードはTDLではなく、「家の近くの遊園地」での出来事だと明言。中村氏に対して「人の文章を寄せ集め、都合よく書きかえて本物の感動が得られるとお思いでしょうか」と疑問を投げかけた。また、サンクチュアリ社には「おわびがあって然るべきではないでしょうか」と釈明会見を求めた。
 女性は「あひるさん、ありがとう」というタイトルの文章を「小さな親切」運動本部のキャンペーンに応募し、平成16年度の日本郵政公社総裁賞を受賞した。サンクチュアリ社は「最後のパレード」にこの作品を「無断引用した」と認めたが、運動本部側の求めた自主回収には応じていない。
 メッセージは同日、都内で記者会見した運動本部の関係者が明らかにした。》

▼資格本、誤記460か所で絶版…出版社が編集委託先を提訴
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20090424-OYT8T00717.htm
《保育士と調理師の資格本に計約460か所の記述ミスが見つかり、絶版を余儀なくされたとして、発行元の「日本文芸社」(東京)が、編集を委託したプロダクション「超音速」(同)に約1000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたことがわかった。
 問題となったのは、保育士や調理師を目指す人たち向けの参考書「最新保育士合格完全ガイド」(1500円)と「最新調理師合格完全ガイド」(同)。いずれも超音速側のライターが執筆し、専門家が監修する形で2005年に刊行され、毎年改訂を続けていた。
 訴状などによると、08年版の出版直後の昨年夏頃、読者から日本文芸社に記述の誤りを指摘する声が寄せられ、同社で改めて校正したところ、「軽費老人ホーム」を「経費老人ホーム」、「腸炎ビブリオ」を「陽炎ビブリオ」、「耐乾性かび」を「耐寒性かび」などとした誤記などが、「保育士」は約170か所、「調理師」は約290か所も見つかった。
 日本文芸社は「間違いが多すぎて売り物にならない」として、2冊を絶版にした。08年版について超音速などに払った製作費と、予定通りに販売していれば得られたはずの利益計約1000万円を求め、今年3月に提訴。超音速側は、2冊の発行部数は各8000冊程度としている。
 超音速は指摘された約460か所について「すべてがミスではない」としたうえで、「最終的にOKを出したのは日本文芸社で、05年版からミスを見落とし続けていた。校正責任をすべて下請けが負うのは納得できない」と反論している。》

▼参考書に間違い215か所!「真島のわかる社労士」を回収
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090430-OYT1T00085.htm
住宅新報社(東京都港区)が出版した参考書「真島のわかる社労士 基本書 2009年版」で215か所もの間違いが見つかり、同社が回収作業を進めていることがわかった。
 昨年11月中旬以降、計9850部が出回ったが、半分近くの4657部が回収できておらず、8月の国家試験に向けて、間違いだらけの参考書が使われている可能性が高い。
 同社によると、資格試験向けに作られたこの本(918ページ)は、社会保険労務士(社労士)の真島伸一郎氏が編著者で、ほかに4人の社労士が執筆。初版は1万2000部。塾でテキストとして使っていた真島氏自身が、12月初めに間違いの多さに気づき、出版社に申し出た。「解雇」とすべき所を「雇用」に、「保険者」が「被保険者」に、「賃金」が「貸金」になっているなど、基本的なミスが目立つ。
 同社は今年1月から回収を始め、ホームページ上に正誤表を掲載している。別の出版社によると、参考書は専門知識を持つ第三者に内容をチェックさせるのが普通だが、同書はこうしたチェックがなかった。
 真島氏は「確認がおろそかだった」とミスを認め、同社の花田俊裕編集長は「迷惑をかけて申し訳ない。交換や返金をするので知らせてほしい」としている。》

株式市場新聞、5月1日付で廃刊 53年の歴史に幕
http://www.asahi.com/business/update/0430/TKY200904300274.html
市場新聞社は30日、株式専門紙の株式市場新聞を5月1日付を最後に廃刊することを明らかにした。部数低迷に苦しんでいたところに昨秋以降の景気悪化で広告収入が大幅に落ち込んだためで、「この状況で会社存続は無理」(園田純三社長)と判断した。従業員25人は全員解雇し、今後、自己破産を申請する予定だ。
 同紙は56年に創刊。かつては株式新聞、日本証券新聞と並ぶ証券三大紙の一角を占めていた。証券専門紙では、最大手の株式新聞も00年に民事再生法を申請。ネットでの情報配信を強化して収益を補い、昨年4月に投信の評価会社モーニングスターと合併した。 》

▼「グーグルは傲慢」谷川俊太郎さんら、書籍DB化で批判
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20090430-OYT1T01077.htm
《書籍のデータベース化を進めるインターネット検索大手の米グーグルに対し、日本の作家らが著作権の保護を求めている問題で、詩人の谷川俊太郎さんらが30日、文部科学省で記者会見し、「著作権にかかわる重要な問題なのに、あまりにも一方的で傲慢(ごうまん)」とグーグルを批判し、国内のほかの著作者にも対グーグル交渉に合流するよう呼びかけた。
 谷川さんらは、米国の作家らが起こした著作権侵害訴訟で和解が成立し、効力が日本にも及ぶことに反発。4月28日までに国内の著作者180人が和解拒否を通知したが、通知期限が当初の5月5日から9月4日に延びたため、さらに賛同者を募ることにした。谷川さんらは、「グーグルが著作権を管理することになってしまう」と訴えた。》

▼米タイムワーナー、AOLを近く分離
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090430AT2M3001430042009.html
《米メディア大手タイムワーナー(TW)は傘下のインターネットサービス部門AOLを近く分離すると発表した。2001年の合併で統合したAOLはグーグルやヤフーに押され、収益が低迷。テレビや映画を核とする本業との相乗効果が薄れたため、保有するAOL株95%のすべて、または一部を切り離す計画。
 ジェフリー・ビューケス最高経営責任者(CEO)は「近くAOL分離の枠組みを公表する」と言明した。現在はAOL株の95%をTWが、残る5%をグーグルがそれぞれ保有。2月にグーグルが5%分を売却する方針を示したのを機に再建策を検討していた。AOLが単独で生き残るのは難しいとみられ、グーグルに代わるネット大手との提携など業界再編につながる可能性もある。》

▼これぞ「プロの犯行」 鼻そうめんP初音ミクで遊ぶワケ
http://ascii.jp/elem/000/000/413/413221/
《トランスアーティストの「Hiroyuki ODA」、イラストレーター&アニメーターの「かんざきひろ」、そしてニコ動クリエーター「鼻そうめんP」という3つの名前を持つ彼は、一体何者なのか。にわかに同一人物によるものとは信じがたい「犯行」の数々。もしかして複数人のユニット? これは実際に会って確かめるしかない!と取材を申し込み、果たして我々の目の前に現れたのは、細身でひょうひょうとした感じの30歳の男性であった。もちろんたった一人の。》

▼「ミクシィ」などのサーバー管理者に年齢確認厳格化を要請
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090430/crm0904301807028-n1.htm
《わいせつ画像や未成年との交際を求める書き込みなど、子供に有害な情報がインターネットにあふれていることを受け、警視庁生活安全部は30日、「ミクシィ」や「モバゲータウン」など多数の会員を抱えるサーバー管理者8社に対し、年齢確認の厳格化などで子供が有害情報を閲覧できない措置を取るよう協力を依頼した。
 依頼文では、身分証明書による年齢確認や携帯電話会社のデータを共有した利用者の年齢確認などを行い、子供が有害な情報を閲覧できないようにすることや、有害情報を閲覧できないようにするフィルタリング機能の細分化などを求めている。
 4月に施行された「青少年インターネット環境整備法」では、ネットに有害な情報があった場合、子供が閲覧できないよう年齢確認やパスワードを入力させるなどの対策を取ることを「管理者の努力義務」として求めている。「ミクシィ」などの会員制交流サイト内で会員がコミュニティー(グループ)を作った場合、グループの管理をする会員も「管理者」とみなされる。》

※最後の一文がとても重要なポイントのような気がしますね。