ソニー復活なるか――2009年05月15日

ソニー、1200億円赤字へ 10年3月期予想
http://www.chunichi.co.jp/article/economics/news/CK2009051502000196.html
ソニーが14日発表した2009年3月期連結決算は、純損益が前期の3694億円の黒字から989億円の赤字に転落した。赤字は1995年3月期以来、14年ぶり。景気低迷や円高の影響で液晶テレビやゲーム部門の不振が続いており、10年3月期は赤字幅がさらに拡大し、1200億円の純損失となる見通し。
 昨年末に公表した一宮テック(愛知県一宮市)に続き、浜松テック(浜松市)など国内3カ所の工場の生産を12月までに終了する追加のリストラ策も同時に発表した。主力のエレクトロニクス事業の体質改善を急ぐ方針だ。
 10年3月期は、本業のもうけを示す営業損益が1100億円の赤字になる見込み。大手電機メーカーで営業赤字見通しを示すのは初めて。売上高も7兆3000億円と、09年3月期の7兆7300億円から6%減を見込む。
 追加のリストラ策で生産を打ち切る国内の工場は、デジタルカメラや光学機器の部品などを手掛ける子会社ソニーイーエムシーエスの浜松テックのほか、小見川テック(千葉県香取市)、千厩テック(岩手県一関市)。
 これらのリストラ策で生産拠点を再編し、効率化とコスト削減を目指す。ソニーのエレクトロニクス事業の拠点は、国内外57拠点から49拠点に集約される。
 3工場で働く非正規労働者約400人は、雇用契約満了後は更新しない方針。正社員約1800人は配置転換のほか、早期退職も募集するという。
 ソニーの大根田伸行最高財務責任者は都内で開いた業績説明会で、構造改革が「(当初の)計画を上回るペースで進んでいる」と強調した。
 09年度のコスト削減効果は3000億円を上回る見通し。ただ、エレクトロニクス事業の黒字化は達成できず、国内外で計1万6000人としていた人員削減数の上乗せなど追加リストラを検討する。》

▼液晶TV黒字化が課題 ソニー赤字 値下げ競争には加わらず
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2009051502000081.html
ソニーは、二〇一〇年三月期も前期を上回る千二百億円の赤字となる業績予想を発表した。営業損益も千百億円の赤字の見通しで、大手電機メーカーで営業赤字予想を示したのはソニーのみ。今後の収益改善は、主力の液晶テレビを中心にしたエレクトロニクス事業の赤字体質の転換がカギを握る。 (荒間一弘)
 今回のソニーの業績悪化の原因としては、エレクトロニクス事業の営業損益が千六百八十一億円の赤字に陥ったことが大きかった。中でも液晶テレビは、台数では前年比四百六十万台増の千五百二十万台を販売し、韓国のサムスン電子に次ぎ二位の世界シェアを確保。にもかかわらず価格競争の激化や為替の影響で、千二百七十億円の損失を出す結果となった。
 決算発表の記者会見で大根田伸行最高財務責任者は「今の実力でナンバーワンを追うべきではない。数よりも利益を確保していきたい」と表明。〇九年度は販売台数目標を横ばいの千五百万台に設定、利益を出せる体質改善に重きを置く方針を示した。
 具体的には、大型化や画質向上、省エネ性能で他社との差別化を図り、台数を狙った値下げ競争に加わらないことを表明。技術者や従業員の削減によるコストカット、各地域でバラバラに行ってきた基本設計の集約、世界規模の生産拠点の統廃合などで固定費のかからない製造方式への転換を狙う戦略だ。
 液晶テレビは今期も通期では赤字の見通しだが、「下期にはブレーク・イーブン(損益ゼロ)に持っていきたい」(大根田最高財務責任者)としており、来期以降に待望の黒字化につなげたい考えだ。》

ソニー、国内生産体制を再編…3拠点で生産停止
http://response.jp/issue/2009/0515/article124644_1.html
ソニーは14日、グループ全体において経営体質強化、収益性改善を図るため、国内外の生産オペレーションを見直すと発表した。
国内製造事業所については、これまで複数の事業所にまたがって生産していたが、製品カテゴリーごとに集約することで、より効率的なオペレーションの構築を目指して再編する。
 現在、ソニーイーエムシーエスの浜松テックで展開している中小型液晶事業に関する海外事業所に対する支援業務は、ソニーモバイルディスプレイ東浦事業所に移管する。この結果、中小型液晶事業に関する国内の全てのオペレーションは、ソニーモバイルディスプレイに集約される。
 また、ソニーイーエムシーエスの幸田テック、美濃加茂テック、小見川テックに展開しているデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、カメラモジュールを主たる製品とするデジタルイメージング事業に関する国内生産を、7月1日付で新設するソニーイーエムシーエス・東海テックに集約する。
東海テックは幸田テック、美濃加茂テックの統合により設立、この統合により重複業務の削減や間接部門の効率化を図る。東海テックは統合する両テックの生産設備を有効活用するため、幸田サイト、美濃加茂サイトの2サイト(工場)を生産拠点として運営する。今回の集約に伴い、小見川テックのカメラモジュール生産を東海テックへ移管する。
 ソニーイーエムシーエスの浜松テックで生産している光学ピックアップ事業に関する製造技術開発業務と海外事業所に対する支援業務、小見川テックで展開している光学ピックアップ用レンズ事業での製造技術開発業務と海外事業所に対する支援業務を、ブルーレイディスクレコーダーなどの光ディスク関連製品の製造技術拠点である木更津テックに集約する。
ソニー内における光ディスク関連の技術を集結することで、様々な技術的改善、重複業務の削減によるより効率的なオペレーションをめざすと同時に、製品とデバイスの連携を強化する。
 さらにソニーイーエムシーエスの千厩テックと、瑞浪テクノロジーサイトに展開している国内の携帯電話事業に関するカスタマーサービスオペレーション(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズから委託)を、同じく携帯電話を受託生産しているソニーイーエムシーエスの東海テック美濃加茂サイトへ移管する。これにより、生産オペレーションの効率化を図り、生産からカスタマーサービスまでの一体化したオペレーション体制を構築する。
 携帯電話事業に関するオペレーションのソニーイーエムシーエスの東海テックへの移管に加えて、千厩テックで展開しているその他の電子機器生産は、主として木更津テックへ移管する。 
これらの再編により、ソニーイーエムシーエスの小見川テック、浜松テック、千厩テックは、2009年12月末で生産活動を終了する予定。》

▼浜松テック12月末閉鎖
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20090515-OYT8T01018.htm
ソニーの光学機器工場「浜松テック」(浜松市南区新貝町)が、今年12月末で生産を終了することになった。ソニーの2009年3月期連結決算で、税引き後利益が989億円の赤字に転落したことに伴い、グループ工場をリストラする一環。関係者は、約670人の社員らの雇用維持・確保に努める。
 ソニー広報部によると、浜松テックは、ソニーの子会社「ソニーイーエムシーエス」が運営する国内工場の一つ。正社員約650人、非正規社員約20人が働き、CDやDVDにデータを読み取らせるための部品「光学ピックアップ」の製造のほか、中・小型の液晶ディスプレーの製造技術を海外企業向けに支援したり、放送局用の音響機器を製造したりしている。
 浜松テックでの生産は12月末までに段階的に減らし、生産中止後は、光学ピックアップの製造は千葉県木更津市の工場「木更津テック」へ、液晶ディスプレー関連は愛知県東浦町の関連会社へ、音響機器は湖西市の工場「湖西テック」へそれぞれ業務移管する。
 これに伴い、浜松テックの正社員は木更津テックなどの業務移管先への異動・配転を迫られる。非正規社員については契約満了に伴い契約を打ち切る予定。浜松テックは今後、全社員と面談し、異動先などを調整するが、早期退職や再就職を希望する社員がいれば支援するという。
 同工場の人事総務課は「社員は突然のことでびっくりしていたが、冷静に事実を受け止めている」と話している。浜松市産業政策課は「正社員の雇用は継続するようなので、しばらくは推移を見守り、再就職者の支援が必要になればハローワークと連携し具体的な対策を取る」としている。》

▼施設で新事業要請へ 千厩テック撤退で
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20090515-OYT8T01096.htm
《一関市千厩町ソニー子会社「ソニーイーエムシーエス」の事業所「千厩テック」が年内で撤退するのを受け、雇用安定策などを協議する「両磐地域雇用対策推進協議会」が15日、一関市役所で開かれた。
 協議会には一関市、藤沢町、県、一関商工会議所、一関公共職業安定所など関係機関が出席。一関市の坂本紀夫副市長が「突然の大激震だ。870人の雇用が失われると地域経済に重大な影響を及ぼす」とし、浅井東兵衛市長がソニー本社(東京)に出向き、施設を活用した新事業創出を要請する方針を明らかにした。
 県南広域振興局の勝部修局長によると、県内に進出した事業所単位では過去最大規模の人員整理で、正社員590人のうち450人は一関市在住という。
 地元経済に与える衝撃も大きい。一関商工会議所によると、取引業者の中には今後の売り上げ減少を恐れる商店主が少なくないという。同会議所千厩地域運営協議会の小野寺維久郎会長は「千厩から撤退するなどいろいろなうわさもあったが、昨年は創立40周年記念行事も行われ、大丈夫だと思っていた」といまだに信じられない様子だ。》

ソニー:改革チーム役員にIBM幹部
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090516ddm008020097000c.html
ソニーは15日、今月1日にストリンガー社長兼最高経営責任者(CEO)の直属組織として新設した構造改革チームの担当役員に米IBM幹部のベイリー氏を迎え入れると発表した。ベイリー氏は米大手会計事務所を経て現在はIBMのマイクロエレクトロニクス部門を統括。ストリンガー社長はベイリー氏が「グローバル企業で変革を推進した幅広い経験がある」点を評価し、招へいした。
 ベイリー氏は6月1日付でチーフ・トランスフォーメーション・オフィサーに就任、エレクトロニクス部門を含む全社的な構造改革に当たる。》

ソニーVizioを訴える,液晶テレビ関連の特許係争が拡大
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090515/170169/
《北米の液晶テレビ市場で覇権を争うソニーと米Vizio, Inc.が法廷でも熾烈な争いを演じている。ソニーと米国法人のSony Electronics, Inc.は米国時間の2009年5月13日,カリフォルニア州南部地区連邦地方裁判所Vizio社を提訴した。Vizio保有の米国特許(特許番号 5511096,5621761,5703887,5745522,5396518,5233629)をソニーが侵害していると指摘されたため,非侵害などの確認を求めるために確認訴訟を提起した。
 ソニーは2008年10月10日にもVizio社を同様の特許侵害でカリフォルニア州中部地区連邦地方裁判所に提訴していた。一方,Vizio社も 2008年10月10日,ソニーと米Sony Corp. of Americaを相手取ってニュージャージー州連邦地方裁判所に訴訟を提起(この裁判は2009年3月27日,カリフォルニア中部連邦地裁に移された)。現在も係争中である。
 ソニーは2009年3月4日に,米Westinghouse Digital Electronics, LLCとの特許係争で和解している。Westinghouse社は,Vizio社と同じく米国に本社を構え,ファブレス液晶テレビ事業を手掛ける,同事業では新興の企業。ソニーとはHDMIなどに関する特許侵害を巡って争っていたが,ソニーに有利な条件で和解が成立し,ライセンス契約を結んだという。ソニーは,Vizio社との係争でも同様の決着を狙う。》