企業内失業600万人――2009年07月24日

▼景気底打ち、雇用に懸念 経財白書、企業内失業600万人
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090724AT3S2302224072009.html
林芳正経済財政担当相は24日の閣議に2009年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出した。白書では日本経済は過去にない急速な景気悪化に陥ったが、今春以降は持ち直しの動きがあると指摘。ただ企業内失業が最大600万人規模に広がり、失業増大が先行きの下振れリスクになると懸念した。本格回復に向けては、輸出が伸びて国内の個人所得の増加につながる「内外需の双発エンジン」が必要だと訴えた。
 白書は3章構成で、1、2章では1〜3月期に戦後最悪のマイナス成長となった経済危機のメカニズムを分析した。日本経済は世界同時不況によって輸出が前例のない著しい落ち込みに見舞われたと指摘。国内の金融システムは安定していたものの、企業が生産や設備投資を絞り込み、実体経済が大幅に悪化した。
 国内経済は危機の震源地である米欧よりも厳しいマイナス成長となった。その要因として世界的に売り上げが落ち込んだ「自動車やIT(情報技術)製品の依存度が高かった」ことを挙げ、さらに昨秋から急激に進んだ円高が収益悪化に追い打ちをかけたと指摘した。》

▼余剰人員、過去最大の600万人超か 09年度経財白書
http://www.asahi.com/business/update/0724/TKY200907240066.html
《林経済財政相は24日の閣議に、09年度の経済財政白書を提出した。世界同時不況の分析と展望が主なテーマ。日本経済は「歴史的な速さ」で悪化し、企業が国内に抱える余剰人員(企業内失業者)は過去最大の600万人超となった可能性があるとした。また、景気悪化で表面化した格差拡大を巡り、低所得者への給付金支給などの格差是正策を提言している。
 07年11月から始まった今回の景気後退は当初は緩やかだったものの、08年9月の「リーマン・ショック」を機に、欧米向け輸出が急減。企業の生産は一時、ピークの6割に落ち込み、景気は過去に例のない速さで悪化したと分析した。過去の景気後退局面と比べても生産の減少が目立つ。
 日本の国内総生産(GDP)に占める輸出の比率は米国並みだが、海外の景気に左右されやすい自動車や電気製品の輸出が多いことが、大幅なマイナス成長につながったとしている。
 ただ、景気回復のリード役としてまず期待がかかるのも輸出。輸出増は国内の所得拡大をもたらし、消費増にもつながる。こうした外需と内需の「双発エンジン」による回復が望ましいという。
 一方、今後の懸念材料として挙げたのは、雇用情勢の悪化や、物価下落が企業収益を圧迫するデフレ、欧米経済の低迷。特に、企業内失業者を抱えた企業が人員削減を進めかねないとみている。
 景気悪化で表面化した格差拡大にも言及。正社員より賃金が低く失業リスクも高い非正規社員は約1700万人と、雇用者全体(約5100万人)の3分の1を占め、所得格差の拡大につながっているとした。日本の社会保障は年金中心のため、60歳未満の「現役世代」の格差を是正するには、低所得者向けの給付金支給などが必要という。
 格差拡大による雇用不安に加え、年金制度への信頼感の低さもあり、30〜40歳代の貯蓄率は上昇傾向にあると指摘。過剰な貯蓄を減らすには社会保障制度への信頼感を高める必要があり、それが消費の下支えにもつながるとしている。》

▼九州豪雨:3人死亡 福岡空港滑走路など冠水
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090725k0000m040104000c.html
《九州北部と山口県は24日午後から猛烈な雨が降り、福岡、佐賀、長崎県内で1時間雨量が100ミリを記録し、福岡県飯塚市など観測史上最大の雨量を記録する地域が相次いだ。》

▼梅雨明けしているの?太平洋高気圧意外に弱く
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090724-OYT1T00502.htm?from=top
関東甲信地方が今月14日に梅雨明けした後、沖縄をのぞく日本列島で、雨や曇りの日が続いている。
 梅雨前線を北に押し上げる太平洋高気圧の勢力が予想より弱く、大陸から寒気が入り込んでいるためで、気象庁は「今後1週間は、夏らしい天気にはなりそうにない」と予想している。
 関東甲信地方の梅雨明けは、平年より6日早かった。梅雨前線が日本海に北上し、太平洋高気圧が強くなったため、同庁は「一時的に前線が南下することはあっても、活動は弱い」と予想していた。》