切り札――2009年10月02日

▼「切り札」は15歳体操少女、首相は金色ネクタイ
http://www.asahi.com/sports/update/1002/TKY200910020360.html
オバマ米大統領のスピーチでシカゴが招致演説を締めくくった30分後。東京の演説が始まった。
 「私の名前はレサ。15歳の体操選手です。未来のオリンピアン(五輪選手)を代表してここに立っています」
 最初に白いパーカー姿の女の子が約100人のIOC委員に向かって英語で語りかけた。
 東京生まれ、シンガポール育ちの三科(みしな)怜咲(れさ)さん。横浜市のよこはまYSMC体操クラブに所属する中学3年生で、東京の招致委が最後まで存在すら隠した「切り札」だ。
 「次世代を代表する15歳が最初に語りかけ、オバマ氏でざわついた会場の空気を変えたかった」。招致委幹部は起用の理由をこう説明した。
 三科さんが語る背後には、崩落する氷山の映像。東京が重視する環境問題への口火も切った。》

トヨタは企業凋落で消滅の一歩手前、経営に慢心があった−豊田社長
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aqudB.oPE.58
《自動車販売で世界1位、トヨタ自動車豊田章男社長は2日、日本記者クラブの講演で、トヨタの現状について、企業の凋落で存在価値が消滅する一歩手前の「救世主にすがる」段階にあるとの認識を示した。経営に慢心があったと述べた。また販売不振は顧客から離れてしまったからとし、今後は若い人材の育成に力を入れていくなどと語った。
豊田社長は米国の経営学者、ジェームズ・C・コリンズが唱える企業凋落の5段階分析を例に挙げ、トヨタは「企業が凋落する5段階のうち、第4段階にある」と指摘した。コリンズの定義では、企業が凋落していく第1段階「成功体験から生まれた自信過剰」、第2段階「規律なき規模の追求」、第3段階「リスクと危うさの否定」、第4段階「救世主にすがる」、第5段階「企業の存在価値が消滅」となっている。
その上で、豊田社長は過去のトヨタの姿勢を、ゴルフのハンディキャップに例えて「世界1を狙っていたとき、実力は13−14のハンディキャップなのに、周囲に褒められて、自分はシングルのハンディキャップと勘違いしていた」と、慢心があったことに言及した。
過去を振り返る中で、豊田社長は自身の社長就任時に、「トヨタはお客様から遠いところに来てしまった」という印象を抱いたことを明らかにし、現在の自動車販売不振について「車から離れているのは若者ではなく、われわれメーカー側だ」と指摘した。
さらに、「救世主は私ではなく、これからの100年の車作りを担う若い人」と言明した。「人材育成がトヨタのDNAであり、将来においても重要な要素となる」と強調、自ら人材育成に積極的に取り組む姿勢を示した。》