2009年の日本経済は?

▼派遣切り「お助け」求人 どこも「応募は意外に少ない」
http://www.j-cast.com/2009/01/14033618.html
《製造業を中心にした大規模な「派遣切り」対し、慢性的な人材不足に悩む介護業界、タクシー会社、サービス業などでは、「失業救済」という名のもとに新規雇用を呼びかける動きが活発だ。しかし、各社とも「思ったほど応募が来ない」のが現状だ。情報が届いていないせいもあるが、「報じられているほど深刻なのか」と疑問視する声も上がっている。……大分キヤノン大分キヤノンマテリアル東芝大分工場などの製造業で数百から数千人規模の「派遣切り」が行われている大分県。失業者を受け入れようと、同県にあるタクシー会社、大分第一交通(大分市)は、330人の運転手を正社員として新たに雇用すると2008年12月29日に発表した。多数の応募が来ており、年始から連日のように面接を行っているが、そのうち元派遣社員は2〜3人しかいないそうだ。……同社はハローワークにも求人を出しているが、応募は少ない。元派遣社員の7〜8割が、前職と同じ業種を希望し、なおかつ「正社員ではなく派遣社員にこだわっている」と指摘する。》

▼若者のクルマ離れ、その本質は「購買力」の欠如
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20090109/182410/?P=1
《世界の新車需要が同時崩落した2008年、日本も1980年の規模まで市場が縮小した。このところの日本の持続的な需要減は、少子・高齢化の進展や、若年層のクルマ離れなど複合的な要因による。このうち「クルマ離れ」については、若者の消費の多様化や、魅力的なクルマの不在といったことが指摘されてきた。だが、昨今の雇用情勢の悪化を見ると、実は「購買力」が大きな問題であることが浮き彫りになる。「クルマなんてとても手が届かない」という若者が増えているのだ。》

トヨタ部長級2200人が新車購入 業績回復へ“自主的”行動
http://www.business-i.jp/news/flash-page/news/200901140004a.nwc
《世界的な新車販売の低迷を受け、トヨタ自動車の部長級約2200人が3月末までに自社の新車を購入する取り組みを始めたことが13日、分かった。部長職の自主的な行動からスタートしたが、一部の役員も同調している。業績悪化に歯止めをかけるための異例の取り組みだ。9日に開いた部長会の総会で決定した。》

ワークシェア「まず労働時間把握を」 連合会長、拙速導入に慎重
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090114AT3S1400R14012009.html
《連合の高木剛会長は14日、東京都内で開かれた「新春労使トップセミナー」で今春の労使交渉の焦点に浮上しているワークシェアリング(仕事の分かち合い)について「労働時間の管理のないところに議論はない」と述べた。制度を普及するにはまずサービス残業などを含めた労働時間を正確に把握する必要があるとの考えを示した発言で拙速な導入には慎重な姿勢を示した。》

▼企業倒産、08年は1万5000件超 上場企業は最多33社
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090114AT2C1301913012009.html
《民間調査会社の東京商工リサーチが13日発表した2008年の全国企業倒産状況によると、負債総額1000万円以上の倒産は前年比11%増の1万5646 件と5年ぶりの高水準となった。上場企業の倒産は前年比5.5倍の33社で戦後最多。金融危機に伴う資金繰りの急速な悪化で、建設・不動産関連を中心に行き詰まる企業が増加した。》

▼「世界経済危機で日本のダメージが大きい理由」
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/harada.cfm?i=20090108c3000c3&p=1
アメリカ発の金融危機が世界に波及して、世界経済危機になっている。その日本への影響は、当初の大方の予想に反して、非常に大きいものになっている。2008年7−9月期の実質国内総生産(GDP)の成長率(前期比年率)は、アメリカがマイナス0.5%であるのに対して、日本はマイナス1.8%である。危機はアメリカから始まったのに、なぜ日本への打撃がこれほど大きいのだろうか。……その理由はいくつか挙げることができるが、1つは、日本の輸出がアメリカに大きく依存していることだ。……しかし、だからと言って、どうすれば良かったのだろうか。日本の人口は減少し、1人当たりの所得もたいして増えない。将来のことを考えれば、海外の市場に依存するしかない。高い日本の賃金では安物を作れないから高付加価値の商品に特化していた。日本の企業は、海外に依存することなど様々な不安から、キャッシュをため込んでいた。需要の激減に対してキャッシュが不況抵抗力をもたらす。外資のファンドの言うようにキャッシュを投資していたら、もっと大変なことになっていた。内需を増やせといっても、いまさら無駄な公共事業でもない。これしかない状況の中での戦略だったというほかない。今はアメリカの復活を待つしかないということになる。》

▼「アメリカが景気回復すると、世界経済危機が終わらない」という深刻なジレンマ
http://diamond.jp/series/noguchi_economy/10005/
《これまでの時点で顕著に生じている現象は、住宅価格の下落によって引き起こされたものと言えよう。すなわち、住宅価格下落による直接の影響としてまず住宅建設が減少し、つぎに、住宅を担保とする消費者ローンが急減したことにより、耐久消費財、ことに自動車に対する支出が急減したのである。他方において、輸入が全体として顕著に減少しているとは言いがたい。……つまり、これまでのところ、アメリカの貿易は、自動車輸入の急減を通じて対日貿易に大きな影響が発生しただけで、輸入全般には目立った変化は現れていないのである。これは、上でGDP統計によって見たのと同様の傾向である。このことは、問題なしとしない。なぜなら、今回の経済危機の基本的な原因は、アメリカの経常収支赤字が持続可能とは言えない規模まで拡大したことにあるからだ。そして、それをもたらした原因は、アメリカ国内の消費が住宅価格上昇を背景として増加したことにあるからである。したがって、危機が完全に解決されたと言えるためには、アメリカ国内の過剰消費が減少して経常収支赤字が持続可能なレベルにまで減少しなければならないと考えられる。しかし、これまでのところ、自動車を中心とする耐久消費財について減少は見られるものの、消費の縮小による輸入の縮小には進んでいない。つまり問題の根本的な解決と新しい均衡へ向かっての調整の道筋が見えているとは言いがたい状況なのである。今後、オバマ政権によって景気刺激策が取られ、アメリカ国内の支出が増大すれば、輸入が再び増加する可能性もある。そうなれば、問題の基本的な解決からはかえって遠ざかってしまうとも言えるのである。》