かんぽの宿――2009年02月12日

かんぽの宿総務省が独自に不動産鑑定実施へ
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090212k0000e040066000c.html
日本郵政による「かんぽの宿」のオリックス不動産への一括売却問題で、総務省は売却対象になった施設について独自に不動産鑑定を実施する方針を固めた。売却価格の根拠になった日本郵政の簿価と鑑定結果を比較することで、オリックスへの売却価格が妥当かどうか検証する。
 鑑定対象は、286億3000万円をかけて建設されたものの08年9月時点の簿価が15億5800万円の「ラフレさいたま」(さいたま市)など主要20施設程度とする方向で調整している。3月中旬までに鑑定を実施し、同月中に売却価格の妥当性に関する検証結果をまとめる方針。
 総務省は独自の不動産鑑定のほか、入札に応募した27社への聞き取り調査など入札経過の検証作業を進める方針。そのうえで鳩山邦夫総務相が「納得できない」と判断すれば、日本郵政への立ち入り調査に踏み切ることになる。
 日本郵政かんぽの宿70施設と首都圏の社宅9カ所について一括して入札を実施し、オリックスに売却することを決めたが、譲渡の認可権を持つ鳩山総務相が約109億円の売却価格を「安すぎる」と反対。日本郵政オリックスへの譲渡を白紙撤回する方針を固めている。
 総務省は、日本郵政株式会社法に基づき日本郵政に16日までに入札の経過について詳しく報告するよう求めている。日本郵政は、入札に関する資料を全面開示し、入札の経過に不正はなかったことを鳩山総務相に理解してもらいたい考えだ。》

▼郵政労組、ベア要求断念へ 非正規の賃上げは要求
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090212/biz0902120110000-n1.htm
《国内最大の企業別労働組合である日本郵政グループ(JP)労組(組合員数約22万3000人)は、今年の春季労使交渉で、正社員の賃金のベースアップ(ベア)を要求しない方向で調整に入った。要求見送りは2年ぶり。一方、非正規社員の処遇改善のため、月給制契約社員の基本月額の引き上げなどを求める。18、19の両日の中央委員会で正式決定する。
 景気後退で経営環境が大きく変化しているうえ、「かんぽの宿」の譲渡問題や郵政民営化の見直し問題など政治動向でも先行きに不安定な要素があることから、2年連続のベア要求は困難と判断したもようだ。また民営化で発足したグループ各社によって業績にばらつきがあり、統一要求を策定することが困難になっているという事情もある。
 一時金は昨春要求と同じ年4・5カ月分を求める方向。全従業員の半数近い22万人の非正規社員の処遇改善では、昨年と同様に月給制契約社員の正社員への登用拡大や時給制契約社員の時給単価の引き上げなどを求める。雇用環境が急速に悪化する中、大きな戦力である非正規の雇用確保と待遇改善に取り組み、正社員との格差是正を図る。
 今春交渉では連合が8年ぶりに物価上昇率に見合った1%台半ばの賃上げ要求方針を決定し、傘下労組にも同様の要求を促している。国内最大のJP労組が連合方針に反して要求を見送ることで、今後の春闘交渉に影響が及ぶのは避けられない。》

▼『売却延期も検討項目』総務相
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009021102000088.html
日本郵政の「かんぽの宿」譲渡問題に関連し、鳩山邦夫総務相は十日の参院総務委員会で、三月末までに郵政民営化の進ちょくを見直す政府の郵政民営化委員会の議論では、かんぽの宿の売却期限延期も検討項目に含むとの考えを示した。
 総務相は「見直すべき範囲は、国営に戻すということ以外は全部。五年以内という(売却)期間の妥当性も見直しの範囲内と考える」と述べた。期限は、二〇一二年九月末までの譲渡または廃止が義務付けられている。
 総務相は同委員会で日本郵政が入札方法などについて助言を受けたメリルリンチ日本証券に、契約完了時に支払う報酬が六億円だったことも明らかにした。
 同社への業務委託で既に手数料として支払った一億二千万円を差し引いた残りを報酬とする。
 ただ落札したオリックス不動産への売却を総務相が認めておらず「事情変更が生じたため契約内容の見直し交渉中で、六億円丸々支払うことはない」(日本郵政)という。》

▼「かんぽの宿」=日本郵政とメリル契約、財務アドバイザー
http://www.zaikei.co.jp/article/biznews/090211/32455.html
日本郵政が「かんぽの宿」売却の財務アドバイザーとしてメリルリンチ日本証券と契約をしていたことを10日の参院予算員会で鳩山邦夫総務相が明らかにした。契約完了時に報酬として6億円を支払うとしていた。この金額にはすでに支払っている1年分の手数料1億2,000万円が含まれている。日本郵政オリックス不動産との契約が白紙撤回されれば、手数料以外は支払わないという。》

総務相、成功報酬は最低6億円と指摘
http://news.tbs.co.jp/20090210/newseye/tbs_newseye4059517.html
《「かんぽの宿」の売却に関連して鳩山総務大臣は、日本郵政が入札でアドバイザリー契約を結んでいたメリルリンチ日本証券への成功報酬が、最低で6億円だったと指摘しました。
 「成功報酬が6億円はかたい。私が質問をした時にはそういう答えは何もくれない。そうすると、いったいどこまで隠そうとしているのかという疑念の黒雲が沸くんですよ」(鳩山総務大臣
 参議院の総務委員会で鳩山大臣は、「かんぽの宿」の一括売却にあたって、日本郵政がアドバイザリー契約を結んでいたメリルリンチ日本証券への報酬が月額で1000万円、売却が完了した場合の成功報酬として少なくとも6億円となっていると指摘したものです。
 鳩山大臣は「ますます疑念は深まった。灰色の雲が晴れていけばいいが、逆に雲の色が黒くなっていくような印象だ」と重ねて強調しました》

かんぽの宿黒字は『11』 一括売却70施設 累計16億円赤字
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009021102000096.html
オリックス不動産(東京)への一括売却が白紙見通しとなった日本郵政の「かんぽの宿」七十カ所の二〇〇七年度個別収支が十日、明らかになった。うち五十八カ所(三カ所は休館)が経常赤字で、赤字幅は百万−二億五千万円。一方、十一カ所の黒字や収支均衡(一カ所)の各施設に対しては、地元などから個別に売却を求める声も一部で上がっている。 
 赤字が一番大きかったのは、さいたま市の「ラフレさいたま」(経常赤字二億五千八百万円)。次いで北海道小樽市那覇市の施設がともに一億二千四百万円の赤字だった。休館を除く赤字額一千万円以下の施設は十一カ所あり、運営の効率化次第では黒字化が見込める施設もあるとみられる。
 また〇七年度の七十カ所の経常損益額の累計が約十六億円の赤字だったことも分かった。日本郵政は宿泊事業全体の赤字額が約四十億円としており、残りは、かんぽの宿の本社事業部など管理・支援部門の赤字が約二十四億円に上る。》

かんぽの宿:「譲渡期限見直し」 「12年9月末」付則、総務相が表明
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090211ddm001020015000c.html
鳩山邦夫総務相は10日の参院総務委員会で、かんぽの宿を12年9月末までに譲渡・廃止すると定めている日本郵政株式会社法の付則について、見直すこともあり得るとの考えを示した。見直しには郵政民営化関連法の改正が必要で、民営化見直し論議に波及する可能性もある。
 同法は、政府に対し民営化の状況を3年ごとに見直すよう求めており、3月末が期限。総務相参院総務委員会で「国有化に戻す以外は(かんぽの宿の売却期限も)聖域なく見直す」と強調した。
 日本郵政かんぽの宿の一括売却を急いでいるのは、12年9月末までの譲渡・廃止が法律で決められているため。不動産市況が低迷するなか、期限が決まっていると安売りにつながるという批判が出ていた。》

▼「かんぽ」一括売却、最終入札はオリックスだけ
http://www.j-cast.com/2009/02/10035692.html
日本郵政の「かんぽの宿」一括売却問題で、日本郵政は2009年2月9日の衆院予算委員会で、08年12月の最終段階で応札したのはオリックス不動産1社のみだったことを明らかにした。川内博史議員(民主)の質問に答えた。日本郵政はこれまで、最終段階に残った2社のうち、オリックスの入札額が 109億円だったのに対し、ホテル運営会社が61億円を提示したと説明していた。実際には、この61億円という額は08年10月31日段階のもので、ホテル運営会社は11月末には、事実上入札からの撤退を表明していた。鳩山邦夫総務相は、翌10日の会見で、
「『出来レース』がだんだん明らかになってきた」
と、手続きの不透明さを改めて批判した。》

▼かんぽ問題 鳩山総務相「できレースが明らかになってきた」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090210/plc0902101128007-n1.htm
日本郵政の「かんぽの宿」一括譲渡問題で、鳩山邦夫総務相は10日午前の記者会見で、最終入札で具体的な譲渡額を提示したのは落札したオリックス不動産1社だったことについて「こんなものが入札であるわけがない。全く恣意(しい)的に譲渡先を決めるためにやっている作業にしか見えない。『できレース』がだんだん明らかになってきたのではないか」と述べた。
 その上で鳩山氏は「日本郵政西川善文社長は『一般競争入札で公明正大だ』と説明していたのに日本郵政は『競争入札ではなかった』と言い始めた。『ほれ見ろ!』と言いたい」と西川氏への強い不満を重ねて表明。日本郵政に対し、16日までに納得のいく報告を求める考えを示した。
 また、鳩山氏は、最終入札の段階でスポーツ施設「世田谷レクセンター」が譲渡対象から突然外されたことについても強い疑念を表明し、「途中で物件をはずしたら最初に入札した27社で全部やり直すべきだった」と述べた。》

かんぽの宿、最終入札額提示はオリックスのみ 突然の条件変更で競争相手辞退
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090210/plc0902100123000-n1.htm
日本郵政が「かんぽの宿」の一括譲渡を断念した問題で、2社が残った入札の最終段階で譲渡条件が突然変更された結果、具体的な買収額を提示したのは109億円で落札したオリックス不動産だけだったことが9日、分かった。日本郵政の米沢友宏専務が同日の衆院予算委員会で明らかにした。
 日本郵政はこれまで「1位は109億円、2位は61億円」と、最終的に2社による「札入れ」の結果、オリックスが落札したかのように説明してきた。鳩山邦夫総務相は「金額の提示が2社そろわないと入札とは言えない」と批判し、入札経緯を追及する考えを重ねて強調した。
 日本郵政は当初、「かんぽの宿」70施設にスポーツ施設「世田谷レクセンター」(簿価60数億円)を含めて譲渡対象にしていた。最終審査にはオリックスと「ホテルマネージメントインターナショナル」(HMI、本社・神戸市)の2社が残り、昨年10月31日、2社の応札を締め切った。
 ところが、日本郵政は11月20日にレクセンターだけを譲渡対象からはずした上で、譲渡額を引き上げるよう2社に要求。オリックスは10月に105億円だった入札額を12月3日に109億円に増額して提示したが、10月に86億円を提示したHMIは、再度の価格提示を断念した。
 その後、日本郵政はHMIの入札額について、12月のオリックスの提示と同じ条件で再応札した場合を想定して計算した結果、61億円になったという。》

かんぽの宿入札「適正な価格」 オリックス副社長
http://www.asahi.com/politics/update/0209/TKY200902090251.html
日本郵政が「かんぽの宿」の契約撤回を固めた問題で、オリックスの浦田晴之・副社長は9日、「あくまでも一入札業者なので郵政の返事をお待ちしている。それ以上でも以下でもない」と今後の対応について明言を避けた。同日、第3四半期決算会見の席上、記者団の質問に答えた。
 日本郵政と契約したオリックス不動産はオリックス100%出資の子会社。浦田氏は、日本郵政が撤回を通知した場合についても、「仮定の話なのでお答えすべきでない」と言及を控えた。契約額の109億円については「適正な価格と認識している」と発言。かんぽの宿を買収した場合、事業再生のために約200億〜300億円の追加投資が必要との考えを示した。 》