米ロの人工衛星が衝突

▼米ロの人工衛星が衝突=シベリア上空、宇宙ごみ発生−CBS
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&rel=j7&k=2009021200136
《米CBSテレビは11日、米国の商業通信衛星とロシアの通信衛星が10日昼(日本時間11日未明)、衝突したと報じた。衝突により「宇宙ごみ」が大量に発生しており、米航空宇宙局(NASA)は、国際宇宙ステーション(ISS)への影響がないか分析を進めている。米軍高官はロイター通信に対し「軌道上で人工衛星同士が衝突したのは初めてと思われる」と述べた。
 CBSなどによると、衝突したのは米衛星電話会社「イリジウム・サテライト」が1997年に打ち上げた衛星と、ロシアの通信中継用の衛星。シベリア北部の上空約790キロで衝突した。衛星の重量はいずれも約450キロ以上。ロシアの衛星は93年に打ち上げられたもので、この10年間、使われていないもようだ。
 宇宙に漂う直径10センチ以上のごみを監視している米戦略軍は、今回の衝突により破片約600個の発生を探知したとしている。》

▼米露の大型衛星同士が宇宙で衝突…大量の宇宙ごみ発生
http://www.yomiuri.co.jp/space/news/20090212-OYT1T00314.htm
《日本時間11日未明、シベリア(ロシア)の上空約800キロ・メートルで、米露の人工衛星が衝突し、多数の破片が宇宙ごみとして散らばった。
 米航空宇宙局(NASA)によると、衛星同士の衝突事故は、50年以上にわたる宇宙開発の歴史上初めて。NASAは、高度約400キロ・メートルを周回する国際宇宙ステーション(ISS)や、様々な衛星などへの影響を分析している。
 衝突したのは、米イリジウム社が1997年に打ち上げて運用中だった衛星電話用の通信衛星と、ロシアが93年に打ち上げて運用を停止していた通信衛星イリジウム社は、人工衛星66基を運用して、世界デジタル衛星携帯電話サービスを展開している。AP通信によると、イ社衛星は560キロ・グラム、露衛星は1トン近い重さだった。
 NASAジョンソン宇宙センター(テキサス州)で軌道上の破片監視を担当するニコラス・ジョンソン氏は、「過去の経験からして、大きな破片だけでも数百個、小さな破片はもっとあるだろう」と推測する。
 宇宙ごみとなった破片の大半は、衝突した2衛星の軌道で雲のように集まって動いているが、一部はより高い軌道や低い軌道へも飛散しているとみられる。
 ただ、若田光一飛行士が間もなく長期滞在に入るISSへの影響について、ジョンソン氏は「真っ先に分析したが、極端な危険はない。(若田飛行士をISSへ運ぶ)次のシャトルにも影響はないだろう」と話している。》

▼原子炉衛星と衝突の恐れも 宇宙ごみの大量発生で
http://www.47news.jp/CN/200902/CN2009021201000969.html
インタファクス通信によると、ロシアの宇宙ロケット分野の専門家は12日、米ロの人工衛星の衝突で発生した大量の宇宙ごみが、原子炉を積んだ旧ソ連人工衛星と衝突し、放射能汚染を引き起こす恐れがあると警告した。
 今回の衝突は高度約800キロの宇宙空間で起きたが、この高さには原子炉を積んだ旧ソ連の衛星が廃棄されたままになっているという。
 ロシア軍によると、衝突したロシアの衛星「コスモス2251号」は1993年に打ち上げられた軍事衛星で、約2年後に機能を停止し、使われなくなっていた。宇宙ごみは高度500−1300キロの範囲に飛散したという。
 78年には、原子炉を積んだ旧ソ連の軍事衛星「コスモス954号」がカナダに落下。放射能を帯びた破片が散乱し、周囲が汚染される事故が起きている。》

KDDI、通話サービスに影響なし=衛星衝突
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009021200379
《米国イリジウム社と提携し、国内で唯一「イリジウム衛星携帯電話サービス」を提供しているKDDIは、今回の衝突事故の影響について「66機の衛星が打ち上げられており、そのうちの1機が壊れても通話などに支障はない」(広報部)としている。
 イリジウム社の携帯電話は災害時でも通信規制を受けることなく会話が可能。このため、危機管理対応が必要な地方公共団体、マスコミなどに需要があり、国内での契約件数は「数千件」(同)に上るという。》

イリジウム衛星衝突で一部通信に影響も、日本デジコムが報告
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/02/12/22413.html
《海外利用を目的とした衛星携帯電話の販売・レンタルを手がける日本デジコムは、2月10日にシベリア上空790kmで発生したイリジウム衛星電話用通信衛星の衝突事故により、一部で通信しづらくなる事態が想定されると発表した。
 今回の事故は、ロシアの通信衛星「Cosmos2251」と米国のイリジウム衛星が2月10日16時55分(世界標準時)に衝突。これにより両衛星が壊れ、数百もの破片が軌道上に散乱した。米航空宇宙局(NASA)によれば、現時点では国際宇宙ステーションISS)に対する障害の恐れはほとんどないとしている。
 米イリジウム社では、今後30日以内に壊れた衛星の軌道上にスペアとなる衛星を再配置する予定。ユーザーに対する影響は軽微にとどまるとしているが、衛星1機分が機能を喪失したことにより、一部地域ないしは時間帯において通信しづらい事態が想定されるという。
 なお、イリジウム衛星は移動衛星システムであり、稼動中の衛星全66機が地球の周囲を高速で周回している。そのため、局部地域が半永久的に通信が不能となるわけではないとしている。》

▼雲の合間に、青い海と九州・中四国まいど1号撮影成功
http://www.asahi.com/science/update/0211/OSK200902110032.html
《先月H2Aロケットで打ち上げられた大阪の町工場発の小型衛星「まいど1号」が、搭載の小型カメラを使い日本列島の撮影に成功した。地上に届いた画像には、白い雲の合間から、青い海と九州、中四国の輪郭が見える。
 撮影日時は今月2日午後1時15分ごろ。データは業務用の無線を通じ宇宙航空研究開発機構JAXA)が受信した。
 プロジェクトを進める東大阪宇宙開発協同組合の今村博昭理事長は画像を見て、「予想以上によく写っている」と喜ぶ。
 まいど1号は3月から、本来の業務である雷の観測に取りかかる予定だ。》

▼小型衛星「かがやき」いずこ? 電波頼りに必死の捜索
http://www.asahi.com/science/update/0212/TKY200902120043.html
H2Aの15号機で先月23日に打ち上げられた情報システム会社ソラン(本社・東京)の小型衛星「かがやき」が、相乗りした7機の小型衛星の中で唯一、音信不通の状態だ。軌道投入の成功は北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)の調査で確認できており、この位置情報を頼りに、懸命な「捜索活動」が続いている。
 NORADは地球を回る衛星の軌道を調べていて、15号機が打ち上げたとみられる温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」を含む全8機の予定軌道への投入を確認した。宇宙航空研究開発機構の江藤隆夫・産学官連携部参事は「8機すべてが予定軌道を回っているのは間違いない」と話す。
 では、なぜ「かがやき」だけ確認できないのか。
 「かがやき」は地上からの指令を受けて電波を送受信するアンテナを伸ばし、感度を上げる設計。何らかの理由でアンテナが開かず、電波が微弱になり、地上で受信できない可能性がある。衛星の電源自体が入っていないことも考えられるという。
 捕捉チャンスは衛星が日本上空を通る1日4〜6回。だが、ビルや山が邪魔になったり、電波が雑音にかき消されたりすることもある。ソランは東京、長野、宮崎からアマチュア無線を使って捜索を続けているが、村田祐介・宇宙システム事業部シニアマネージャは「東京はビルに、長野は山に邪魔されている」。
 「かがやき」が使う電波の周波数はソランのホームページなどで公開しており、国内外のアマチュア無線家からの情報にも期待を寄せる。
 「かがやき」には、障害がある子どもたち約260人の手形が押されたパラシュートを宇宙に広げる夢が託されている。山本勝令・宇宙システム事業部長は「電波を早くキャッチして、子どもたちの夢を実現したい」と話す。》

▼月はやっぱり円かった=かぐや、極半径を初の直接計測−表と裏、内部にも違い
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009021300063
《月の極方向の半径は1735.66キロと、赤道半径の1738.64キロと大差なく、完全な球に近いことが、宇宙航空研究開発機構の月探査衛星「かぐや」のレーザー高度計による初の直接計測で分かった。最も高い地点と低い地点の高度差は19.81キロと、従来測定より2キロ以上大きく、地球並みと判明。国立天文台の荒木博志助教らが13日付米科学誌サイエンスのかぐや特集で発表した。
 地球が横に膨らんでいるのに対し、月が球に近いのは、自転速度が遅く、遠心力が小さいため。月の最高地点は赤道近くのクレーターの縁、最低地点は南極近くの重なったクレーターの底で、どちらも地球から見えない裏側にあった。地球では風雨などで高低がならされてしまうが、月は大気も水もなく、大昔の隕石(いんせき)衝突跡がほぼそのまま残ったという。九州大の並木則行助教らは、かぐや親機と子機「おきな」が連携して観測した月全体の重力分布から、月内部の表側(地球側)には重い物質が多く、40億〜35億年前には高温で溶岩噴出もあったが、裏側は低温だったと発表。名古屋大の山口靖教授らは、月の表側の海(平地)の地下構造をレーダーで観測し、地層の曲がり具合から、約28億年前に月全体が冷えて縮まったと発表した。
 月の起源は、約45億年前に太陽系が形成された際、地球に火星サイズの天体が衝突し、破片から誕生したとの「巨大衝突説」が有力。かぐやの観測成果は直接結び付かないが、宇宙機構の加藤学教授は「月の表と裏ははっきり違い、内部に起源がありそうだ。鉱物の分布も分かると月の姿が見えてくる。3〜5年後には新しい月モデルを作らないといけない」と話した。レーダー観測には東北大や京都大、金沢大、福井工業大の研究者も参加した。》
▼「かぐや」の子衛星、役目終え月に落下
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090213STXKF001813022009.html
《月周回衛星「かぐや」が月の裏側の重力分布を観測するのに貢献した子衛星2つのうち1つが、役目を終えて12日午後7時46分ごろに月裏側の月面に落下したと、宇宙航空研究開発機構が13日、発表した。
 かぐやは、2007年9月に打ち上げられた後、同年10月に子衛星を分離。子衛星は高度100―2400キロの楕円軌道を回りながら、本体と連携して月の裏側の重力分布を世界で初めて計測した。
 エンジンなど軌道を制御する仕組みがないため、月の重力に従って徐々に高度が低下。今月1日、最後の観測を終えていた。かぐや本体も、必須とされていた観測を昨年10月末までに済ませており、追加観測を終えた後、今年夏までに月面に衝突する見通し。》

▼かぐや子機「おきな」、月面に落下
http://www.jiji.com/jc/p?id=20090213100722-7726978
宇宙航空研究開発機構は13日、月探査衛星「かぐや」の2基ある子機のうち、「おきな」が12日午後、地球から見えない月の裏側に落下したと発表した。親機から分離される「おきな」(手前)の想像図=同機構提供》

H2Bロケットが完成=宇宙ステーション補給機打ち上げ−愛知
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&rel=j7&k=2009021200869
三菱重工業宇宙航空研究開発機構JAXA)が共同開発した新型ロケット「H2B」1号機の機体が完成し、愛知県飛島村の同社名古屋航空宇宙システム製作所飛島工場で12日、公開された。同ロケットの主な任務は国際宇宙ステーションへ食料や実験機器などを運ぶ補給機の輸送で、9月ごろにJAXAが最初の打ち上げを実施する予定だ。
 H2Bの最大の特長は、高い打ち上げ能力。エンジンを2基装備したほか、第1段の直径を5.2メートルに大型化して搭載する推進薬量を増やすことで推進力を増強した。民間の商業衛星を2機同時に打ち上げることもできる。
 また、従来型の国産主力ロケット「H2A」を基に開発したため、開発費はH2Aの2割以下の262億円に抑制。開発期間も「詳細設計から実質的に1年半程度の超短期間で造り上げた」(JAXAの中村富久マネジャー)という。》