大不況でも儲かる会社

▼「巣ごもり」「内需」「低価格」 大不況でも儲かる会社のカラク
http://www.j-cast.com/2009/02/16036013.html
《……多くの上場企業が減収減益に苦しむ中で、09年3月期決算で64社が過去最高益を見込んでいる。儲かる企業のキーワードには、「巣ごもり」「内需」「低価格」をあげる。「巣ごもり」で儲かった企業の代表格は、任天堂。家庭でゲームが楽しめる「Wii」の売れ行きが好調だった。それにともない、任天堂のゲーム機の部品をつくっているメガチップスも経常利益が前期比48.3%増。
  家庭用ゲームソフトのカプコンに、カップめんの東洋水産、携帯サイト「モバゲー」のディー・エヌ・エーや、ヤフーなども名を連ねる。カップめんをすすりながら、ゲーム三昧の若者が日本の「消費」を支えているといえなくもない。
25周年イベントや新アトラクションの投入効果もあって、入場者数が増えた東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドは、「内需型」だ。
2月13日付の日本経済新聞社は、2ケタ増益で最高益を更新する主な企業を「低価格・節約志向」「新市場」「環境・エネルギー」の3つのキーワードに分類した。
「低価格」では、防寒素材の「ヒートテック」が売れたファーストリテイリングや、家具やインテリアの安売りが話題を呼んだニトリ。「新市場」の分野では、後発医薬品東和薬品日医工。「環境・エネルギー」分野では、原発向けプラント部材の日本製鋼所が伸びた。
ふだん、あまり聞いたことのない、「隠れた」優良企業は少なくない。肥料会社の片倉チッカリンの「伸び」は目を見張る。09年3月期は過去最高益を見込んでいて、前期比の経常利益増益率で222.6%にもなる。08年は「食の安全」が大きく問われたが、それが国内の農業生産の見直しにつながり、肥料が売れたこともある。
昭和産業というとピンとこないが、「SHOWA」ブランドの小麦粉や食用油といえば聞き覚えがあるだろう。同社も前期比95.4%増と好調。しかし、「前年(07年)に原料価格の高騰があってかなり落ち込んでいたため、数字上では(08年度が)ものすごく伸びたように映っているだけ」と説明する。》

▼不景気が追い風? 赤字予想が一転黒字決算になった会社
http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK200902180081.html
《インクリボン大手のフジコピアン大阪市)が18日発表した08年12月期決算は3200万円の純利益となり、昨年11月に公表した2億8千万円の純損失予想から一転、黒字決算となった。不景気で消費者の内食志向が強まり、食品などに使われるバーコード用インクリボンの需要が伸びたことなどが追い風になった。
 同社は、世界同時不況の影響で昨年11月に業績予想を下方修正し、赤字決算の見通しを発表した。ところが、その前後から、食品の包装に賞味期限や製造年月日などを打ち込むバーコード用インクリボンの注文が相次いだという。
 インク製造に使われる重油価格の急落や経費節減で、本業の稼ぎである営業利益は、11月時点の予想より4倍近い1億9700万円だった。
 「赤字を覚悟していた」と会見で話した赤城貫太郎社長は、「外食をせずに家庭で食事をする人が増えたことも影響した」とホッとした表情だった。 》

▼なぜ下がらない食料品価格 原材料急落でも、「不景気だから」「穀物高騰に備え」
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090217/trd0902170056000-n1.htm
《昨年、穀物原油相場の高騰の影響で、パンや乳製品、ビールなど多くの食品メーカーが相次いで値上げした。昨年9月の米大手証券「リーマン・ブラザーズ」破綻(はたん)を契機に相場は急落したのに、いまだに価格が下がらない。16日に発表された昨年10〜12月期の国内総生産(GDP)で落ち込みが明らかになった個人消費。買い控えに走る消費者らは「どうして安くならないの」と首をひねっている。
 「値下げ? 勘弁してくださいよ。値上げはしても、値下げなんてできる状態にないですよ」
 パンなどを作っている食品メーカー担当者は、こう強調する。
 昨年目立ったビールやパン、乳製品メーカーの値上げはスーパーなど小売店の価格に直結するため、消費者には大きな打撃になった。5月に大手製パンメーカーが食パンの希望小売価格を20円程度値上げ。それと前後して、乳製品メーカーがバターを8%、大手酒類メーカー各社もビールを3〜8%程度値上げ。値上げ分は、小売価格にほとんどそのまま反映され、その状態は今もあまり変わっていない。
 値上げの主な理由とされた穀物原油価格だが、9月のリーマン・ショックで相場は急落している。ピーク時に米国の穀物市場で400ドルを超えた小麦は、200ドル程度まで落ち、原油も140ドル台から40ドルまで落ちたが、メーカーは価格を下げなかった。
 「ずっと前から経営環境は厳しかったのに値上げを我慢していた。それまで我慢した分を取り戻さなければいけないし、値段を下げられない」とビール会社の担当者は説明する。相場高騰は、数ある値上げ理由の一つに過ぎないのだ。》

▼ツタヤオンライン、会員1500万人突破 不況で「内ごもり」追い風
http://www.business-i.jp/news/venture-page/news/200902170103a.nwc
《CDやDVDレンタル大手のTSUTAYAグループのツタヤオンライン(東京都渋谷区)は、パソコンや携帯電話などで楽曲や映画などをダウンロードして、視聴できるサービス「TSUTAYA online(ツタヤオンライン)」の会員数が、2009年1月末に1500万人を突破したと発表した。1999年にサービスをスタートし、約10年で実現した。
 足元では、景気後退による節約志向で外出を控え、「家でDVD」を見るニーズが高まり、好調に推移している。TSUTAYAの2008年の映像レンタルの実績は、ネット、店舗ともに6年連続で前年を上回り、過去最高となった。
 ツタヤオンラインは、携帯電話大手3社の携帯向けインターネット接続サービスの開始に伴い、新規事業として始めたビジネス。パソコンと携帯電話を使った総合エンターテインメントサイトの先駆けとなった。
 新曲情報のほか、CDやDVDなどの通販サービスを展開し、01年には会員向けの特典をメールで配信するサービスを開始し、新規会員の獲得につなげた。
 その後、会員数は右肩上がりで伸びていたが、爆発的な伸びのきっかけとなったのが携帯電話向け音楽配信サービス「着うた」だ。携帯電話大手3社のサービスが出そろった04年には会員数が500万人を突破。
 その後も、パソコン・携帯電話向けコンテンツを拡充し、会員数は06年には1000万人、今年1月末に1500万人へと成長した。
 会員の年齢層は20〜30歳代が中心で、全体の67.5%を占める。40歳代以上の割合も25.2%と高く、幅広い年齢層から利用されているという。サービスを利用する際の端末は、携帯電話が中心で、その割合は全体の70.9%にも及ぶ。
 同社では「今後、映画や音楽などのエンターテインメントに関心が高い1500万人の顧客が集まるプラットフォームを通じて、新しいライフスタイルを創造したい」と話している。》

フェラーリ、過去最高の販売台数を記録…08年実績
http://response.jp/issue/2009/0213/article120459_1.html
フェラーリは10日、2008年の販売台数と決算を発表した。総販売台数は前年比2%増の6587台と過去最高。経常利益は前年比27%増の3億3900万ユーロ(約390億円)と、こちらも最高記録を更新した。過去最高の販売台数には、『430スクーデリア』などが大きく貢献。6587台の内訳は、最大市場の北米が約1700台で全体の26%を占めた。中東と南アフリカフェラーリの人気が高いエリアで、前年比12%増の366台を販売。アジアパシフィック市場は1089台を販売しており、日本が15%増の 433台、中国が20%増の212台と目覚ましい伸び率を示している。西欧も前年比25%増と好調だった。……2009年は新型『カリフォルニア』の販売も開始されるため、販売台数のさらなる上乗せが予想される。 》

▼1缶100円以下の自販機を探せ
http://waga.nikkei.co.jp/play/walk.aspx?i=MMWAd6000016022009
《……「100円自販機」の設置業者は、仕入れルートを工夫したり、割安価格の商品をそろえて、原価を抑えている。土地の持ち主との契約にも新手法を採り入れて、100円、もしくはそれ以下の単価を実現している。
 飲料メーカー大手の自販機の場合、そのメーカーの飲料だけを売るケースが多い。しかし、「100円自販機」ではしばしば複数ブランドの缶が並ぶ。
 これまで大手飲料メーカーの自販機設置では、一般的にメーカー側が自販機の持ち主で、場所の提供者は売上の一部を「場所代」として受け取っていた。この場合、メーカーは「定価販売」を守るのが普通だ。
 フジタカ(京都府長岡京市)は100円で飲料を売る自販機「ハッピーベンダー」の設置を全国に広げている。「ハッピーベンダー」の仕組みでは、多くの場合、場所の提供者が自販機を自前で持ち、商品を仕入れ・補給するので、コストを差し引いた残りは原則、すべて提供者の取り分となる。
 提供者は自販機を所有するので、どこのメーカーの飲料であっても、自由に仕入れ・販売することができる。価格の設定にもメーカー側の拘束を受けにくい。
 大手飲料メーカーは自販機での販売料金を120円に設定しているケースが多いが、準大手以下のメーカーからは120円よりも安く仕入れることが可能だ。自販機専用のプライベートブランド(PB、自主企画)品も選べる。
 最近では100円どころか、90円以下で売る自販機も現れている。同じ自販機の中で、120円と100円のような複数価格が混在するような売られ方もしていて、120円ルールは揺らぎが目立つようになってきた。
 同様の安い缶飲料自販機を扱うメーカーには、ウエックス(大阪市)やスーパードリンク(同)、スターベンディング(同)などもある。先に挙げたフジタカを含めて上記4社はいずれも関西圏に本社を構える。……サントリーは今春から自販機の飲料を10円値上げする方針を、2008年に打ち出していたが、当面見送る公算が高い。消費意欲の落ち込みや、「100円自販機」の増加、倹約ムードの高まりなどを考慮すると、今は値上げに踏み切りにくい情勢だ。……長く100円が続いた自販機の缶飲料は110円時代を経て98年、現行の120円へ値上げされた。以後10年以上も120円時代が続いているわけだが、今はむしろ値下がりの風が強く吹いている状況と言える。》