小泉劇場ふたたび――2009年02月19日

▼小泉元首相「給付金、再議決なら本会議欠席」
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090218/stt0902182122005-n1.htm
自民党小泉純一郎元首相は18日、訪問中のモスクワ市内で記者会見し、定額給付金の財源法案を衆院で再議決する事態になった場合、本会議を欠席する考えを表明した。
 小泉氏は「郵政民営化に反対した議員がいたが、誓約書まで書いて自民党に戻ってきた。そうやって(全議席の)3分の2を得た。与党の中には(現有勢力は)当然だという考えがあるが、よって立つ原点を考えてもらいたい」と述べた上で、参院と意見が異なった場合に衆院で再議決することに「若干、異論がある」と語った。
 小泉氏は郵政民営化をめぐる麻生太郎首相の一連の発言を踏まえ、「総理や自民党執行部は、現在の与党の議席をどういう形で得られたか理解していないのではないか」「2兆円の税金を使うのなら、ほかにも違う方法があるのでは」などと述べ、首相をあらためて批判した。》

▼小泉元首相:与党「織り込み済み」 給付金再議決欠席で
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090219k0000m010105000c.html
小泉純一郎元首相が18日、定額給付金の財源法案を衆院で再議決する場合、欠席する考えを表明したが、与党は「織り込み済み」(自民党幹部)と冷静に受け止めている。与党議員は一度法案に賛成しており、再議決で造反に転じる理由がつかないとみているためだ。……自民党では、細田博之幹事長が「方針は変わっていない」、大島理森国対委員長が「粛々と3分の2(の賛成)で議決できる」と述べるなど、再可決に改めて自信を示した。公明党の漆原良夫国対委員長も「(小泉発言に)広がりはない」と言い切った。政府高官は18日夜「欠席すれば、元首相といえども処分することになるだろう」と語った。実際、自民党内で小泉氏に賛同する動きは顕在化していない。小野次郎衆院議員は「小泉元首相の意向も参考にしながら同僚議員の意見も聞き、自分の行動を判断したい」と述べるにとどめた。ある当選1回の議員は「小泉さんが言っただけでは同調できない。経済対策は早く成立させなければならない」と語った。数字上は与党議員334人のうち47人が欠席か棄権すれば残り全員が賛成しても再可決できないが、それほどの広がりはない。》

▼自民・後藤田氏、サミット前の首相退陣要求
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090218-OYT1T00535.htm
自民党後藤田正純衆院議員は18日午前、記者団に、麻生政権の迷走に関連し、「出処進退は自分で決めるものだ。できれば禅譲していただきたい」と語り、自発的な退陣を求めた。自民党内で、麻生首相に公然と辞任を求めたのは初めて。
 退陣の時期については、「サミットでオバマ米大統領がだれと握手するのか。世代交代して、ニュー自民を掲げなければだめだ」と述べ、7月のサミット(主要国首脳会議)前が望ましいとの考えを示した。後継首相の候補者として、石破農相、野田消費者相を挙げた。》

▼領土問題「今世代で解決」=日ロ首脳が一致−プーチン氏訪日は5月
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009021800060&j1
麻生太郎首相は18日午前、ロシア極東のサハリン(樺太)を訪れ、メドベージェフ大統領と会談し、北方領土問題の進展に向け交渉を急ぐことで合意した。会談後、首相は記者団に対し「新たな、独創的で型にはまらないアプローチで、われわれの世代で解決すべく、具体的な作業を加速することで一致した」と表明した。
 領土問題をめぐっては、平和条約締結後に歯舞、色丹両島を引き渡すとした1956年の日ソ共同宣言から譲歩しないロシアと、4島とも日本に帰属するとした日本との立場の隔たりが埋まらず、平行線が続いている。首相は「向こうが2島、こっちが4島では全く進展しない」と指摘。「役人に任せていては駄目だ。政治家が解決する以外方法がない」として、事態打開に強い意欲を示した。
 会談では、首脳対話をさらに強化し、延期になっていたプーチン首相の訪日を5月に実現させることで一致した。また、4月2日にロンドンで開かれる第2回金融サミット(首脳会合)や7月のイタリアでのマッダレーナ・サミット(主要国首脳会議)でも、首相と大統領の個別会談を行うため、日程調整を進めることを決めた。
 両首脳はまた、極東地域での経済協力を推進することでも一致。ウラジオストクの橋の建設への日本企業の参加が決まったことを歓迎した。 
 一方、北方4島に人道支援物資を搬入しようとした日本の訪問団が先月、ロシア側に出入国カードの提出を求められた問題についても、首相は会談で提起。4島をロシア領と認めることにつながる出入国カードの提出には応じられない考えを伝え、人道的見地から従来通りの「ビザなし交流」の継続を大統領に求めたとみられる。
 首相のサハリン訪問は、両国企業が参加する石油・天然ガス開発事業「サハリン2」稼働式典への招待を受けたもので、日本の首相が同地を訪れるのは戦後初めて。》

▼ロシア、3島返還論と受け取る可能性も=カギは平和条約の「うまみ」
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009021800775
《ロシア・サハリンで18日に行われた日ロ首脳会談後、麻生太郎首相は北方領土問題に関し「向こうが2島、こっちが4島では全く進展しない」と語ったが、ロシア側はこれを、首相自身が以前に示した4島の面積等分を基にした3島返還で政治決着を図るサインと受け取る可能性もある。ただ、ロシア側が関心を持つかは、北方領土問題を解決することで「利益が見込める」と考えるかどうかに懸かる。》

▼潮流:サハリン訪問の軽挙=ロンドン・町田幸彦
http://mainichi.jp/select/world/news/20090217ddm007030042000c.html
《なぜ日本外務省と政府・自民党は止めないのか。麻生太郎首相のサハリン訪問のことだ。もっと外交の工夫があってもいい。
 ロシア極東サハリンで18日、日本企業も加わる石油・ガス開発事業「サハリン2」の天然ガス液化施設稼働の記念式典がある。首相は先月24日、メドベージェフ露大統領から式典出席と首脳会談を提案され、あっさり承諾した。
 だが、その3日後の27日に、何が起きたか。北方領土国後島に上陸しようとした日本のビザなし交流人道支援団にロシアが、出入国カード提出を求めたのだ。法的帰属問題に触れずに北方領土で日露交流を進めるという約束があったのに、無視したのである。》

▼「サハリン2」稼働、露から日本へ初の液化天然ガス
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090218/biz0902182104020-n1.htm
三井物産三菱商事が出資するロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の液化天然ガス(LNG)プラントがサハリン(樺太)南端のプリゴロドノエに完成し、18日、メドベージェフ露大統領と麻生太郎首相も出席して稼働式典が行われた。来月中旬には日本向けに初のLNGが出荷される見通しで、日本のLNG調達先の多角化につながる。一方、ロシアにとっても日本や韓国などアジア地域に供給先を拡大する足掛かりを得る。》