西松建設を巡る疑惑 まとめ Vol.14

▼小沢氏秘書側、西松に献金請求書 東京地検が押収
http://www.asahi.com/national/update/0307/TKY200903070113.html
民主党の小沢代表の資金管理団体陸山会」をめぐる違法献金事件で、陸山会が、「西松建設」から同社のダミーとして使われていた政治団体経由の迂回(うかい)献金を受ける際、西松建設に請求書を出していたことが関係者の話でわかった。献金を受け取った後は領収書を発行していたという。
 東京地検特捜部は、関係先からこれらの請求書と領収書を押収。小沢代表側が、ダミーの団体からの献金西松建設の資金であることを認識していたことを裏づける証拠とみて調べている模様だ。
 小沢代表の公設第1秘書と陸山会の会計責任者を兼ねる大久保隆規(たかのり)容疑者(47)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=は00年ごろから、西松建設の総務部長だった岡崎彰文容疑者(67)=同=と話し合ったうえで、ダミーの政治団体などを経由させる年2500万円の西松建設献金について、陸山会や政党支部に割り振る金額を決めていたとされる。
 関係者によると、大久保秘書側はこの中で、陸山会に割り振った金額に合わせて請求書を作成して西松建設側に渡し、ダミーの政治団体経由で献金を受け取っていた。献金受領後は領収書も発行していたという。
 西松建設から小沢代表側への迂回献金ルートはこれまでに、同社のOBが代表を務めていた政治団体新政治問題研究会」と「未来産業研究会」から陸山会、政党支部▽子会社「松栄不動産」などから政党支部▽下請け業者から政党支部――の3ルートが判明している。
 大久保秘書は、実際は西松建設からの政治献金であることを知りながら、03〜06年分の陸山会政治資金収支報告書に、ダミーの2団体から計2100万円の献金を受けたかのように装う虚偽記載をしていた疑いが持たれている。
 大久保秘書は容疑を否認しているという。 》

▼自民有力議員側に6千万円 裏献金、西松関係者が供述
http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009030601001177.html
西松建設の巨額献金事件に絡み、同社関係者が東京地検特捜部の調べに対し「自民党の有力国会議員側に、10年以上にわたり総額6000万円前後の現金を渡していた」という内容の供述をしていることが6日、関係者の話で分かった。
 原資は同社が捻出した裏金で「(議員側の政治団体などの)収支報告書には記載されていない」とも供述したとされる。政治資金規正法に違反する可能性もあり、特捜部は慎重に調べを進めている。
 西松建設献金事件で、裏献金の存在が明らかになったのは初めて。
 議員は共同通信の取材に「全く知らない。なぜ、そんな話が出ているのか」と否定した。
 関係者によると、議員への資金提供を認めた西松建設関係者は「10数年前から最近まで、自民党有力議員側に年間約500万円、総額6000万円前後の現金を提供していた。議員本人と1対1の場で渡したこともあった」と供述したとしている。
 議員が代表を務める資金管理団体などの2004年−06年の収支報告書には、こうした資金提供に関する記載はなく、関係者は、これ以前の報告書にも記載がないとしている。
 収支報告書の不記載罪には、5年以下の禁固、100万円以下の罰金が科せられる。これまで、自民党橋本派政治団体平成研究会」の1億円献金隠し事件で、平成研の元会長代理の村岡兼造官房長官が04年に在宅起訴され、禁固10月、執行猶予3年の有罪判決が確定したケースがある。》

▼政府高官、自らの発言釈明=西松建設をめぐる違法献金事件で
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009030700006
西松建設をめぐる違法献金事件で、東京地検の捜査が自民党議員には拡大しないとの見通しを示した政府高官は6日夜、自らの発言について「自分は検察情報を知る立場にはない。一般論として検察はよくやったということを言った」と釈明した。発言に対しては、検察への政治の介入を想起させかねないなどの批判が与党からも上がったことを踏まえ、沈静化を図ったとみられる。》

▼「西松」事件、二階経産相側捜査へ…個人献金装い年3百万
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090307-OYT1T00100.htm
《準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)が、OBを代表とする政治団体を隠れみのに企業献金をしていた政治資金規正法違反事件に絡み、二階俊博経済産業相の関連政治団体が同社から違法な献金を受けていた疑いが強まったとして、東京地検特捜部は、同法違反容疑で刑事責任の追及に乗り出す方針を固めた。
 小沢一郎民主党代表の資金管理団体の政治資金を巡る事件から始まった西松建設の違法献金事件は与野党双方を巻き込む事件に発展する公算が大きくなった。
 西松建設関係者によると、二階経産相が代表を務める自民党和歌山県第3選挙区支部などの関連政治団体は2006年以降、西松建設から個人献金を装った献金を年間300万円前後受けていた。個人献金は、同社社員が関与した形をとっていたが、実際に社員はこうした事実を知らされていなかったという。
 政治資金規正法は他人名義の献金を禁止しており、献金を受けた政治家側も政治資金収支報告書に虚偽の記載をした虚偽記入罪などに当たる疑いがある。
 また、これとは別に、西松建設からは二階経産相側に毎年、夏と冬に現金が渡っていたという。受け渡しには小沢代表側に違法な献金を行ったとして同法違反容疑で再逮捕された前社長の国沢幹雄被告(70)が関与することもあった。
 特捜部は来週以降、応援の検事を投入するなど捜査体制を拡充して、二階経産相の関連政治団体を巡る違法献金疑惑について、会計担当者らの本格追及に乗り出すとみられる。
 二階経産相を巡っては、自民党二階派政治団体「新しい波」が04〜06年、西松建設献金の隠れみのに使っていた「新政治問題研究会」など二つの政治団体から計約830万円に上るパーティー券の購入を受けていたことが明らかになっている。
 二階経産相は6日の参院予算委員会で、「正規に政治団体が許された範囲でパーティーを開き、きっちりと政治資金規正法に基づいて報告している」と説明していた。
 西松建設の事件では、小沢代表の資金管理団体陸山会」の会計責任者で、小沢代表の公設第1秘書の大久保隆規容疑者(47)が3日、同法違反容疑で特捜部に逮捕されている。》

▼自民:西松建設問題が飛び火、二階経産相側を捜査方針と報道
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003011&sid=aqYmTIwDodqA&refer=jp_asia
民主党小沢一郎代の公設秘書が逮捕された西松建設系の政治団体による献金問題が6日、自民党にも飛び火した。同日付の産経新聞朝刊に二階俊博経済産業相が代表を務める政治団体「新しい波」(二階派)のパーティー券を西松側が購入していたことが東京地検特捜部の捜査対象となるもようと報じたためだ。二階氏は「違法性はまったくありません」と主張するが、午後の参院予算委員会では共産、社民両党から追及を受ける事態となった。
  二階派は小沢氏の秘書が逮捕されたことを受け、5日に開いた派閥の例会で、西松側からのパーティー券購入代金の返却を決定。共同通信によると、政府高官は同日、西松建設献金事件の捜査が自民党議員に波及する可能性はないと思うとの認識を示していた。》

献金団体所在地、西松本社と誤記 自民政治資金団体報告書
http://www.asahi.com/politics/update/0306/TKY200903060332.html
西松建設の違法献金事件をめぐり、自民党政治資金団体国民政治協会」の03年の政治資金収支報告書に、西松建設OBの政治団体新政治問題研究会」の所在地として、西松建設本社の住所が記載されていた。6日の参院予算委員会で明らかになった。
 政治団体献金のためのダミーだったことを裏付けるもので、麻生首相は「詳細について必要であれば党の方で説明させたい」と述べた。献金疑惑は民主党だけではなく、自民党にも飛び火した。
 共産党小池晃氏は、国民政治協会に500万円を献金した新政治問題研究会の所在地の確認を求めた。総務省の門山泰明選挙部長は、07年7月11日付で所在地の訂正願が出ていると説明、訂正前の住所は「東京都港区虎ノ門1の20の10」と明らかにした。この訂正前の所在地は、西松建設本社ビルにあたる。
 首相は「住所の誤りは、寄付した団体が間違った住所を伝えたためとの報告を受けた」と説明。これに対し小池氏は「そんな説明ではすまない。西松建設と同じ住所で、何の疑問も持たずにあなた方が総務省に届けを出した。これは自民党の問題だ。国民が疑惑を持ちますよ」などと詳しい調査を求めた。 》

▼西松OB政治団体の住所が西松本社と同一 自民が認識か
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090306AT3S0601V06032009.html
共産党小池晃政策委員長は6日の参院予算委員会で、自民党政治資金団体国民政治協会」が2003年の政治資金収支報告書で、西松建設OBが代表を務めていた政治団体新政治問題研究会」の住所として、同社本社と同じ場所を総務省に届け出ていたことを明らかにした。小池氏は政治団体と同社が「一体だと自民党の資金団体が認識していたのではないか」と指摘した。
 麻生太郎首相は「新政治問題研究会が間違った住所を伝えてきたためと報告を受けた。詳細について必要であれば党に説明させる」と答えた。》

▼小沢代表、西松建設関係会社の会合に出席
http://www.ntv.co.jp/news/130540.html
民主党・小沢代表の資金管理団体陸山会」をめぐる違法献金事件で、小沢代表は6日、「西松建設」の関係会社と年に1回、会合を持っていたことを明らかにした。
 「(西松建設と関連のグループで)私を応援する後援会を作ってくれた。年に1度、みんなが集まった時に出席して、お礼のあいさつを申し上げた」−小沢代表はこのように述べ、西松建設の関係会社と年1回、会合を持っていたことを認めた。
 東京地検特捜部の調べによると、この会合に出席していた下請け業者の多くが、西松建設からの指示で小沢代表側への迂回(うかい)献金に協力していたことがわかった。特捜部は、下請け業者を介した小沢代表側への迂回献金の全容解明を進めている。 》

▼西松前社長「二階氏側も違法認識」 献金、小沢ルートと捜査
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090307/crm0903070130004-n1.htm
小沢一郎民主党代表の資金管理団体陸山会」の政治資金規正法違反事件で、逮捕された西松建設の前社長、国沢幹雄容疑者(70)が東京地検特捜部の調べに、二階俊博経済産業相側のパーティー券の購入先は、小沢氏側の西松からの献金に対する認識と同様、「二階氏側も実際は西松だと当然知っていた」と供述していることが6日、捜査関係者の話で分かった。特捜部は二階氏側にも違法性の認識があったとみて、小沢、二階両氏側のルートについて、規正法違反容疑で捜査を進めるもようだ。
 問題の政治団体は、二階氏が代表を務める自民党二階派の「新しい波」。
 政治資金収支報告書によると、同団体は平成16〜18年、政治団体新政治問題研究会」(新政研)と同「未来産業研究会」(未来研)に合計838万円分のパーティー券を購入させていたとされる。地検によると、新政研と未来研は西松のダミーだった。
 捜査関係者によると、国沢容疑者は特捜部の調べに対して、「政治団体がダミーだったことは二階氏側も認識していたはず」との趣旨の供述をしており、パーティー券を購入したのは「二階氏側も実際は西松だと当然知っていた」などと説明しているという。
 特捜部は、陸山会が、西松からの企業献金だと認識しながら、両政治団体から2100万円の献金を受領したとする虚偽の内容を、収支報告書に記載したなどとして、陸山会の会計責任者で小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規容疑者(47)や国沢容疑者ら3人を逮捕した。大久保容疑者が西松側に献金を要求していたこともすでに判明している。
 逮捕に踏み切った理由として、特捜部は小沢氏側への提供金額が突出していた点を挙げている。
 小沢氏側以外で16〜18年、西松からの献金やパーティー券購入の総額が多いのは、二階氏側のほか、自民党尾身幸次財務相側と森喜朗元首相側が、ともに400万円だった。
 検察関係者によると、特捜部では、国沢容疑者の供述に加え、二階氏側は金額が小沢氏側に及ばないものの、他の自民党議員側より多い点に注目。二階氏側は西松によるパーティー券購入費では金額が突出している上、「献金」がまったくないことから、西松からの資金提供を目立たなくさせる意図があった可能性もあるとみているもようだ。》

▼自民にも危機感、国会で防戦
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090307-OYT1T00039.htm
西松建設の違法献金事件について、自民党側も危機感を強め始めている。
 民主党の小沢代表の資金管理団体献金していた準大手ゼネコン「西松建設」のOBが代表の政治団体が、二階経済産業相はじめ、自民党議員側にもパーティー券購入や献金で接点があった点を、国会審議の中で追及されたからだ。
 社民党の福島党首、共産党小池晃政策委員長は6日の参院予算委員会で、政治団体が購入した838万円分の自民党二階派のパーティー券に関し、その原資などをただした。二階氏は「正規に購入してもらったので、本来返す必要はないが、道義的に返却するのが妥当」と説明する一方、原資については、「いちいち詮索(せんさく)することはしていない」と、小沢氏が4日の記者会見での釈明の際に使ったのと同じ言葉で防戦に回った。
 麻生首相は6日夜、首相官邸で記者団に、二階氏の答弁について、「しっかり説明しておられたように感じた」と述べた。しかし、自民党中堅は「高額の献金の出所を何ら調べない小沢氏の姿勢を批判していたのに、小沢氏だけを攻めにくくなった」と漏らした。
 同委では、自民党政治資金団体国民政治協会」に政治団体から500万円の献金があったことも取り上げられ、党内では「政治とカネに国民の厳しい視線が集まる中、自民、民主が共倒れしかねない」と懸念する声も上がった。》

▼民主、静観保つ…「自民へ飛び火」に期待感
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090307-OYT1T00038.htm
民主党は、小沢代表の公設秘書が政治資金規正法違反容疑で逮捕された事件を巡り、小沢氏の今後の対応や事態の行方をなお静観している。
 代表辞任による党の混乱を恐れる一方、事件が自民党にも飛び火し、民主党への逆風が和らぐことに期待する向きもあり、6日の小沢氏の改めての釈明にも、表だった動きを見せないままでいる。
 民主党鳩山幹事長は6日の記者会見で、「代表は自らの潔白を固く信じているし、党一丸となって代表を信頼していく。辞任する思いがないことは当然だ」と強調した。
 民主党保守系議員から旧社会党議員までいる寄り合い所帯で、政策や政治理念にも違いがある。それを糾合しているのが、「衆院選での政権交代」という目標であり、2007年参院選の勝利という小沢代表のもとでの実績を前に、小沢氏に批判的な議員も、不満を抑えている。「偽メール事件」や年金未納問題などが起きるたび、“お家騒動”で代表交代を繰り返してきた「悪弊」が、党の政権担当能力への疑問を抱かせてきたという思いも共有されている。
 一方で、西松建設が隠れみのに使った政治団体自民党側とのつながりもあり、「東京地検の捜査が自民党側にも及べば、民主党が受ける傷も相対的に浅くなる」と期待する声も出ている。
 ただ、秘書逮捕後、疑惑が連日報じられ、民主党内では小沢氏への疑念も強まりつつある。中堅議員は6日、「東京地検の今後の捜査で、政治資金規正法違反という形式的な容疑でなく、西松建設への便宜供与などが明らかになれば、守りきれない」と語った。「今週末、民主党国会議員は地元で厳しい批判を浴びるのではないか。その場合、小沢批判が強まる可能性もある」との指摘も出ている。》

▼巨額献金、返したいけど返せない 政治団体はすでに解散
http://www.chunichi.co.jp/article/politics/news/CK2009030602000265.html
西松建設の巨額献金事件を受け、同社OBが代表を務めた政治団体からの献金を返却する動きが自民党内に広がっている。ところが、政治団体は既に解散。実質的な献金元だった西松建設に返せば、政治団体がダミーだったことを間接的に認めることになる。「いったいどこに返せばいいの?」。返すと言ってはみたものの、難問に頭を悩ませる。
 2つの政治団体新政治問題研究会」「未来産業研究会」は、西松社員らが会費を払い、後で会社が賞与で補てんして献金の原資としていた。東京地検特捜部は西松建設のダミー団体と判断しているが、同社は公式には認めていない。
 2団体は2006年に解散。総務省政治資金課によると、政治資金規正法には、違法な企業献金と認定された場合は没収または追徴されるが、解散した団体については返却の規定はないという。
 200万円の返却を決めた山口俊一首相補佐官(徳島2区)の事務所は「西松に返せば“ダミーだと知って献金を受けていたのか”と言われるし、西松だって受け取ってくれないでしょ」と供託の可能性も検討しているという。
 03−06年でパーティー券代金を含めて600万円の献金を受けていた森喜朗元首相の顧問弁護士も「にわかに結論を出せる問題ではない」。200万円のパーティー券を購入してもらっていた加納時男国土交通副大臣参院比例)の事務所も「西松に返すわけにはいかないし、顧問弁護士と相談している」という。
 西松関係者も「受け取ったら、ダミーだったことを会社が認めてしまうことになる。返却されても困る」と話している。》