西松建設を巡る疑惑 まとめ Vol.18

▼西松に加え4社が迂回献金か 小沢氏側へ1年に計1億円
http://www.asahi.com/national/update/0311/TKY200903100388.html
《準大手ゼネコン「西松建設」から民主党・小沢代表の資金管理団体陸山会」への違法献金事件に絡んで、同社の他に、大手ゼネコン3社と準大手1社の計4社も小沢代表側に迂回(うかい)献金していた疑いがあることが関係者の話で分かった。5社分を合わせると、1年間に1億円前後だったという。
 大手は「清水建設」「大林組」「大成建設」、準大手は「戸田建設」で、西松建設分とともに各社側から代表側への1年分の献金額の一覧と、下請け業者などを介した手法を示す内容を記載した資料があったとされる。
 資料については、東京地検特捜部も把握しているとみられ、西松建設と同じく4社にも自社名を明らかにしないで小沢代表側に献金する狙いがあったとの見方を強めている模様だ。さらに特捜部は、小沢代表の公設第1秘書と陸山会の会計責任者を兼務する大久保隆規(たかのり)容疑者(47)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=ら小沢事務所関係者が、こうした資料の作成に関与していた疑いも視野に調べを進めているとみられる。
 関係者によると、資料では、ゼネコン5社側からの献金を「下請け」「パーティー券」「その他」の3項目に分類。3項目を合わせた5社側の総額は約1千万円から約2500万円まで幅があったという。
 また、西松建設以外の4社については、下請けとパーティー券の2項目だけに金額が記載されていたうえ、各社の下請けとみられる業者名一覧も付けられていた。東北地方の業者が多かったといい、下請け分は、小沢代表の政党支部献金されていたとみられる。
 一方、西松建設分には、3項目すべてに金額の記載があり、「その他」には、同社のOBが代表を務めていたダミーの政治団体を経由させた献金であることを示す記載があったという。
 西松建設については、代表側への迂回献金の手法の一つとして、下請け業者に工事代金を水増しして支払ったうえで、水増し分を政党支部献金させていたことが既に判明。このため、資料の「下請け」分に記載された他のゼネコン4社側の献金もこうした手法を使っていた疑いが浮上している。
 朝日新聞の取材に対し、清水建設広報部は「個別具体的な内容に関しては回答を控える」、大林組広報室は「政治資金規正法に基づいた適正な対応を行っている」、大成建設広報部は「政治資金規正法の範囲内で適法に行っている」、戸田建設広報部は「コメントを控える」としている。》

▼小沢氏“自縛”の続投 世論にらみ強気転換 党内に辞任論再燃の恐れ
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/82306
西松建設献金事件をめぐり、民主党小沢一郎代表は10日の記者会見で、当面は辞任しない考えを表明した。ただ、報道各社の世論調査では圧倒的な「辞任すべきだ」の声を突きつけられている。党幹部は「小沢体制」での一致結束を強調するが、党内では民意を無視できないと代表退陣を求める声も広がりつつある。政権交代をかけた次期衆院選を前に、小沢氏の進退問題で民主党は苦悩している。
 「同志の仲間はもちろん、国民にも大変ご迷惑、ご心配をかけたことをこの機会におわび申し上げたい」
 党本部での小沢氏の会見は、謝罪の言葉から始まった。秘書逮捕直後の4日の会見では「今おわびするという理由は見当たらない」と言っていた小沢氏。普段は、意に沿わない質問には答えないこともあるが、この日は丁寧な口調に終始し、ときおり笑顔さえみせた。強気一辺倒だった前回の会見とは様変わりした。
 小沢氏が会見に臨む態度を一変させた背景にあるのは、世論調査の厳しい数字だ。共同通信社が7、8日に実施した世論調査では、6割超が「小沢氏は代表を辞めた方がよい」と回答。民主党支持率も自民党を下回った。小沢氏は、会見を国民へのアピールの場と位置付けたかのような変身ぶりだった。
 この日の会見の焦点は、小沢氏が自らの進退問題にどう言及するかだった。「進退については最終的結論が出るまで、現時点では考えていない」。会見冒頭、小沢氏は党内外にくすぶる退陣論を一蹴(いっしゅう)してみせた。
 しかし、次期衆院選での勝利を引き合いに出しながら「行動の基準をそこ(総選挙)に置いて判断したい」と世論の動向を考慮する考えも表明。今後、さらに厳しい批判が続けば、代表辞任を検討する可能性を示唆した。そこには、このまま代表職にとどまったまま総選挙で戦えるのか、読み切れないもどかしさがうかがえた。
 逮捕された秘書には、西松建設側に献金の「請求書を提出」していたとの新たな疑惑が浮上。「西松建設側からの献金とは認識していなかった」との小沢氏の説明との矛盾も出てきている。この日も小沢氏は「(秘書は)起訴にならないと思う」と述べたが、説得力は弱かった。
 会見に先だって開かれた党常任幹事会。「少しの間、頑張っていく」と小沢氏。あわてた鳩山由紀夫幹事長は「少しではなく、ずっと頑張ってもらいたい」と小沢氏続投を周囲に納得させた。
 「官僚政治打倒」を掲げる民主党にとって「官僚組織の一部である検察の捜査に簡単に屈することはできない。小沢代表に簡単に辞めてもらうわけにはいかない」と、党幹部は解説する。ある中堅議員は「そのうち捜査は自民党に飛び火する。効果的なタイミングを計って、辞任カードを切るのだろう」とみる。
 「4月解散」もささやかれる次期衆院選。いったんは収まったかのようにみえた「ポスト小沢」の動きが再燃するのは必至だ。ある衆院議員は「代表が自ら辞めると言わない限り、誰も辞めさせることはできない。今、変な動きをみせれば党が分裂する」と危機感を募らせた。》

▼小沢氏陳謝、「腹を固めた」との見方も
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4080709.html
《準大手ゼネコン「西松建設」をめぐる違法献金事件です。民主党の小沢代表は記者会見で、「国民の皆さんに迷惑をかけた」と陳謝しました。会見で小沢代表は進退についても触れましたが、党内では「既に腹を固めたのでは」という見方も広がり始めています。
 小沢代表が役員会や記者会見で繰り返したある発言が、民主党内で波紋を広げています。
 「私の政治家としての生涯かけての大目標は、1つは官僚主導の政治行政を、国民主導の、国民の側に立った政治行政に改めると。そのためには総選挙で勝利を得なければなりません。私の今後の行動の基準は、あくまでもその点において、物差しをそこにおいて判断したいと、そう思っております」
 小沢代表はこの発言を10日、役員会、常任幹事会、記者会見と、3つの場面で繰り返したということで、民主党内からは、「自分が代表でいることが政権交代のマイナスになるなら、代表の座にしがみつく気はない、という決意を表したものだ」と解説する声があがっています。
 また別の幹部によりますと、10日の常任幹事会で、小沢代表は実際に「代表の座に執着はない」と述べていて、小沢氏をよく知るベテラン議員の1人は、「すでに態度は決めていて、どういうタイミングがよいかちゃんと考えると思う」と指摘しています。
 党内では、「進退は自分できちんと判断するので、一致結束して欲しい」という小沢氏のメッセージではないかという見方が広がり始めました。》

▼小沢氏に公設秘書から逮捕の日の朝に電話
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20090310-469720.html
民主党小沢一郎代表は10日の記者会見で、東京地検に逮捕された公設秘書の大久保隆規容疑者(47)から当日朝、「地検に呼ばれている」と電話があったことを明らかにした。
 小沢代表によると、大久保容疑者は3日朝に「ちょっと話を聞きたいと地検から連絡があった」と連絡してきた。代表は「ありのままに話してくればいいじゃないか」と応じ、1、2時間で終わると思っていたが、午後になって逮捕の知らせを聞き「びっくりした」と振り返った。
 小沢代表は西松建設のダミーとされる政治団体を迂回(うかい)した献金について、具体的な認識をあらためて否定。「ダミーと知っていたのではないか」と繰り返し問われ「私は分からないっちゅうことだから」と苦笑した。
 小沢代表側が西松建設献金の請求書を出したという証言が出ていることについては「お礼を言いながら、また今年も、今回もよろしくお願いしますということは社会通念上、おかしいことではない」と説明した。》

▼民主・小沢氏の記者会見要旨
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009031000932
《まずは私の政治資金にかかわることで同志の仲間はもちろん、国民の皆さんに大変ご迷惑、ご心配を掛けたことをおわび申し上げたい。
 −10日の常任幹事会ではどう説明したか。
 3日朝に大久保(隆規容疑者)から「地検から話を聞きたいと連絡があった」と突然連絡があり、「ありのままに話してくればいい」と言った。1、2時間すれば連絡があると思っていたが、突然逮捕でびっくりした。官僚主導の政治行政を国民主導の政治行政に改め、日本に真の議会制民主主義を早く定着させなければいけない。2つを実現するには政権を代える以外ない。それが私の政治家としての生涯の大目標であり、夢であり、使命だ。私個人の問題ではない。大いなる目標を何としても実現したい。
 −報道各社の世論調査結果を受け、進退をどう考えているか。
 収賄罪か何かの被疑者のような報道だから、国民が辞めた方がいいと思ってもむべなるかなと思うが、まだ(政治資金)収支報告書の事務処理の問題以外に何も明らかにされていない。その他のことも含めて明らかになれば、その時点で国民の判断を頂ければいい。進退は最終的な結論が出るまでは、現時点で全く考えていない。
 −「説明は納得できない」という声も多いが。
 政治資金規正法そのものについて国民がよく分からないという点も多分にあるんじゃないか。
 −衆院選への影響も進退判断の材料か。
 総選挙で勝利を得なければならない。私の今後の行動基準は物差しをそこに置いて判断したい。
 −起訴、不起訴が明確になった時点で判断するのか。
 起訴になる、ならないということ以上に、中身の問題だと思っている。(現在の容疑は)単に(政治資金)収支報告書の処理の認識の違いだ。わたしが収賄罪みたいな犯罪に手を染めているという事実があれば、どのような扱いを受けても仕方ない。しかし、そんな事実はない。国民が「こういうことか」ということであれば総選挙に影響しないし、「こんなことだったのか」という大きな事柄であれば影響するだろう。
 −謝罪した理由は。
 非常に単純な事柄なので、すぐ済むだろうと思っていた。それが1週間以上もご迷惑、ご心配をお掛けする結果になったので申し上げた。
 −ダミーの政治団体からの献金を知っていたか。
 そういう団体から献金をいただいていることも知らなかった。個別のことは秘書を信頼し任せている。》

▼「世論操作ある」民主・西岡氏、検事総長の証人喚問を検討
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090310-OYT1T00970.htm
民主党西岡武夫参院議院運営委員長は10日の同委理事会で、西松建設民主党の小沢代表の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件に関し、「検察当局の(マスコミへの)リークは目に余るものがある。世論操作がある」と述べ、樋渡利秋検事総長の同委での証人喚問を検討する考えを示した。ただ、「民主党執行部とも十分相談しないと、簡単ではない」とも述べた。》

▼小沢代表:選挙影響で判断 進退問題基準示す
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090311k0000m010132000c.html
民主党小沢一郎代表は10日、党本部で記者会見し、自らの進退について、「私の政治家としての最大の目標は政権交代」と続投に意欲を示す一方で、「そのためには総選挙で勝利を得なければならない。今後の行動基準をそこに置いて判断したい」と述べた。違法献金事件の捜査状況や世論の動向を見極めながら、次期衆院選への影響を踏まえ進退を判断する考えを初めて示したものだ。
 小沢氏は会見の冒頭で、「国民の皆さんにも大変ご迷惑をおかけしおわび申し上げたい」と陳謝した。
 事件については、「収支報告書の事務処理の問題点以外に何も明らかにされていない」と改めて潔白であると訴えたうえで、「進退については最終的な結論が出るまでは、現時点では全く考えていない」と語った。
 逮捕された公設第1秘書の大久保隆規容疑者の起訴を進退問題の判断材料にするかについては、「一つの捜査の区切りだが、中身を検討したうえでの判断になる」として、政治資金規正法違反での起訴にはこだわらないものの、捜査の進展を注視する必要があるとの認識を示した。
 さらに、「国民が『ああこういうことか』(と納得する)なら選挙に影響しないし、『こんなことがあったのか』という大きなことがあれば選挙に影響するだろう」と述べ、衆院選に与える影響を重視する考えを強調した。
 一方、西松建設との関係については「(同社関連の)団体から献金をいただいていることも知らなかった」と明言。逮捕当日の様子については、「(逮捕された)3日の朝、大久保(容疑者)から突然連絡があった。地検がちょっと話を聴きたいということだった。1〜2時間すれば終わって連絡があるかと思っていたら、逮捕だったのでびっくりした」と説明した。》

▼選挙:衆院選 きょうから個人ポスター禁止 麻生首相、小沢代表は“敬遠” 
http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20090310ddlk09010093000c.html
《次期衆院選に向け、公職選挙法では任期満了(9月10日)の半年前に当たる10日から衆院選の公示までの間、候補者個人のポスター掲示は禁止される。前回選挙までは、首相や党代表との「ツーショット」ポスターを掲示する例が大半だったが、今回は支持率低迷に悩む麻生太郎首相や、献金問題で秘書が逮捕された民主党小沢一郎代表との撮影を“敬遠”するケースもみられる。……公選法では、任期満了の半年前から公示までの間でも、2人以上が写った政党の演説会告知用ポスターの掲示は認められる。》