西松建設を巡る疑惑 まとめ Vol.19

▼小沢氏側へ下請け使い献金、ゼネコン数社を聴取…東京地検
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090312-OYT1T00001.htm
小沢一郎民主党代表の資金管理団体陸山会」の政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部が、西松建設(東京都港区)以外のゼネコンの東北支店幹部らから参考人として事情聴取を始めたことが、関係者の話でわかった。
 これらの会社は小沢代表側に、下請け企業などを使って献金をしたり、パーティー券を購入したりしていたといい、特捜部は、建設業界から小沢代表側への資金提供の実態や、小沢代表側からの便宜供与の有無について調べを進めるとみられる。
 ゼネコン関係者によると、特捜部の事情聴取を受けているのは、公共工事の受注調整を担当していた大手ゼネコンなどの東北支店幹部ら。東北地方では、西松建設以外のゼネコン各社にも、小沢代表側から年間数百万円以上の献金やパーティー券購入の要請があり、各社は自社で支払ったり、下請け企業に負担させたりしていた。
 ゼネコン各社への献金要請は、陸山会の会計責任者で小沢代表の公設第1秘書・大久保隆規容疑者(47)の前任者の時代から始まり、2000年以降は、大久保容疑者が引き継いでいたという。
 小沢代表側からの求めに応じて献金していたというゼネコンの元東北支店幹部は、「工事の発注者から『小沢さんのところに行ってください』と言われたこともある。献金を断って、工事の受注がスムーズにいかなくなるのが怖かった」と話している。
 OBを代表にした二つの政治団体を隠れみのにしたり、下請け企業を迂回(うかい)したりして、小沢代表側に年間2500万円前後の献金をしていた西松建設の関係者は、特捜部の調べに対し、「小沢代表側に資金提供しないと工事が取れなかった」と供述。特捜部は、多額の献金の背景に、東北地方の公共工事に対する小沢代表側の強い影響力があるとみて、ゼネコン関係者から幅広く事情を聞くとみられる。》

▼東北のゼネコン一斉聴取 小沢氏側への献金解明狙う
http://www.asahi.com/special/09002/TKY200903110285.html
《準大手ゼネコン「西松建設」から民主党・小沢代表の資金管理団体陸山会」への違法献金事件に絡んで、東京地検特捜部は、ゼネコン各社側から小沢代表側への献金システムの全容を解明するため、代表の地元・岩手県など東北地方の建設業者らから、参考人として一斉に事情聴取を始めた。
 事情聴取は、仙台市にある各ゼネコンの東北支店や支社の関係者から、その下請けに入っている地元の建設業者まで幅広く行われるとみられる。
 特捜部は、これまでの西松建設関係者らの調べから、小沢代表の元秘書が、仙台市を拠点にしたゼネコンの談合組織の受注調整に関与していた疑いがあることを把握。代表の公設第1秘書で陸山会の会計責任者も兼ねる大久保隆規容疑者(47)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=も、この元秘書の後任として受注調整に携わっていた疑いがあるとみている。
 同社が違法献金を始めたのは東北地方でのダム工事などの受注を目指したためだったことが判明。こうした経緯を踏まえて特捜部は、小沢事務所側が長年にわたって、受注させたい業者名を談合組織側に伝えるなどしていた疑いがあるとみている模様だ。
 さらに、西松建設の他に大手ゼネコン3社と準大手1社が、下請け業者などを介在させて小沢代表側に迂回(うかい)献金していた疑いも浮上。ゼネコン側が下請け業者に工事代金を水増しして支払ったうえで、その分を小沢代表の政党支部献金させる手法だったとみられ、5社側から代表側への献金総額が1億円前後に達した年もあるという。
 一方、西松建設献金については、小沢事務所側が西松建設側と相談して、95年ごろに年間の資金提供額を2500万円と決めていた。この資金は、ダミーの政治団体▽子会社「松栄不動産」など▽下請け業者――の3ルートに配分されたうえで、陸山会のほか、政党支部、小沢代表が最高顧問を務める党岩手県支部連合会の三つに割り振られていたとみられている。
 このため特捜部は、西松建設による違法献金の理由を解明するには、同社を含むゼネコン各社や下請け業者と、小沢事務所側との関係を明らかにする必要があると判断。ゼネコン各社の東北支店・支社の幹部ら関係者に加え、迂回献金に協力したとみられる東北地方の下請け業者らから事情聴取するとみられる。 》

西松建設:受注資料提出を東北の自治体に要請 東京地検
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090312k0000m040125000c.html
《準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)の違法献金事件で、東京地検特捜部が小沢一郎民主党代表の地盤である東北地方の自治体に対し、同社が受注した公共工事に関する資料の任意提出を求めていたことが分かった。特捜部は今後、入手した資料を分析し、小沢氏側が同社に便宜を図った疑いがあるとみて調べるとみられる。
 関係者によると、自治体側が特捜部に提出したのは、過去約10年間に西松建設が受注した公共工事や、同社が参加した入札に関する資料。02年以降、同社は小沢氏の地元の岩手県に加え青森、秋田、山形、宮城の各県で16件約351億円の公共工事を受注したことが判明している。
 西松建設は小沢氏の資金管理団体陸山会」に違法な企業献金をしたとされ、前社長の国沢幹雄容疑者(70)や陸山会会計責任者の大久保隆規容疑者(47)らが政治資金規正法違反容疑で逮捕された。》

▼「東北支店弱く、焦って献金」=受注工作の一環−規正法違反事件・東京地検
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009031100922
西松建設小沢一郎民主党代表の資金管理団体陸山会」に違法献金したとされる事件で、同社担当者が小沢氏側への献金について、東京地検特捜部の調べに対し、「東北支店が弱く焦っていた。東北には公共工事が多いため、(受注の)戦略のため献金した」と話していることが11日、分かった。同社関係者が明らかにした。同社は過去十数年間で小沢氏側へ約3億円を献金しており、特捜部は受注工作の一環だったとみて、裏付けを急いでいる。
 西松関係者によると、同社は2000年、陸山会の会計責任者を引き継いだ公設第一秘書大久保隆規容疑者(47)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=と企業献金の枠組みを調整。社名を隠すため、ダミーの政治団体新政治問題研究会」などを通じ、岩手県民主党支部や党連合会などにも献金していた。
 同社東北支店の営業には、「業務屋」と呼ばれる談合担当がいたという。しかし、他社との受注調整でも公共工事を取るのは容易でなく、小沢氏の影響力が強い岩手県を中心に東北地方で、政治的影響力を背景に受注を目指したとされる。》

▼小沢氏秘書にゼネコンへの口利き依頼 受注求め建設会社
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200903120118.html
西松建設の巨額献金事件に絡み、東北地方の公共工事で受注調整を主導したとされる大手ゼネコンへの強い影響力を期待し、建設会社が小沢一郎民主党代表の一部の秘書に対し、口利きを依頼するケースがあったことが十一日、ゼネコン関係者らの話で分かった。
 東京地検特捜部は、この大手ゼネコン関係者らを参考人として事情聴取。小沢代表側に多額の献金をしてきた西松建設も秘書を通じ、大手ゼネコン側へ工事受注での取り計らいを働き掛けたケースがあったとみて、小沢代表の公設第一秘書大久保隆規おおくぼ・たかのり容疑者(47)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=の関与についても調べを進めている。
 小沢代表の事務所は「そういう事実はない」と否定している。
 また、特捜部は十一日までに、小沢代表の元秘書で資金管理団体陸山会りくざんかい」の事務担当者だった民主党石川知裕いしかわ・ともひろ衆院議員(35)=比例北海道=から参考人として事情聴取。西松建設からの献金の処理方法などの説明を求めたとみられる。
 ゼネコン関係者によると、東北地方の大型公共工事については、数年前まで地域に強い営業基盤を持つ大手ゼネコンが仕切り役となり、事前調整して受注業者を決める談合が常態化していた。西松建設が談合に加わることもあった。
 建設会社などは秘書に大手ゼネコンへの口利きを依頼し、受注の前後には、小沢代表の秘書にあいさつに訪れるのが恒例になっていたという。
 関係者によると、特捜部の調べに対し、西松建設側は「東北地方の公共工事などで便宜を図ってもらう目的があった」などと供述。特捜部は、東北地方で営業基盤が弱い西松建設に、秘書と大手ゼネコンとのつながりを利用する意図があったとみて調べている。
 西松建設のダミーとされる政治団体「未来産業研究会」(一九九八年設立)は二〇〇六年に解散するまでの三年間、小沢代表側にしか献金しておらず、代表側専用の献金団体になっていた可能性が高いことも、同社関係者の話で分かった。》

▼未来研、小沢氏側への献金専用に 特捜部、石川議員を参考人聴取
http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009031101000066.html
西松建設の巨額献金事件で、同社のダミーとされる政治団体「未来産業研究会」(未来研、1998年設立)は2006年に解散するまでの最後の3年間、小沢一郎民主党代表側にしか献金しておらず、小沢代表側専用の献金団体になっていた可能性の高いことが11日、同社関係者の話で分かった。
 東京地検特捜部は、小沢代表の公設第1秘書で資金管理団体陸山会」の会計責任者大久保隆規容疑者(47)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=に未来研から献金を受けた経緯を確認している。
 また特捜部は同日までに、小沢代表の元秘書で陸山会の事務担当者だった石川知裕衆院議員(35)=比例北海道=から参考人として事情聴取。西松建設からの献金の実態について説明を求めたとみられる。
 西松建設は95年、もう一つのダミー団体「新政治問題研究会」(新政研)を設立した際、会社の資金を迂回させるシステムづくりを小沢代表側と事前に協議し、年間2500万円前後を献金するよう調整していたことが、関係者の話で既に判明している。
 政治資金収支報告書によると、未来研は04−06年、パーティー券購入費として計約840万円、献金として計900万円を、それぞれ支出。新政研は小沢代表側以外にも献金していたが、未来研の献金先は陸山会民主党岩手県第4区総支部、同党岩手県連の小沢代表関連3団体だけだった。
 西松建設関係者によると、新政研と未来研の代表は、いずれも献金先の指定などに関与したとされる部署「土木営業本部」の元営業管理部長。未来研の献金やパーティー券代振り込みも新政研の代表が担当し、後発の未来研の代表は名義を貸しただけだった。》


▼残金大半小沢氏側へ 西松2団体、解散直前に現金
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090312/crm0903120146003-n1.htm
小沢一郎民主党代表の資金管理団体陸山会」の政治資金規正法違反事件で、準大手ゼネコン「西松建設」(東京)が、ダミーとして利用していた2つの政治団体を解散した際、両団体に残っていた資金の大半を小沢氏側の団体へ献金していたことが11日、捜査関係者の話で分かった。ダミー団体の解散の際、西松が小沢氏の公設秘書で陸山会の会計責任者、大久保隆規容疑者(47)に事前に相談して了承を得ていたとされ、解散直前の集中的な献金には、双方の合意があった可能性もある。
 西松が政治家への献金を行うために利用していたダミーの政治団体は、「新政治問題研究会」(新政研)と「未来産業研究会」(未来研)。両団体とも18年の年末に相次いで解散した。
 解散直前の18年10〜11月、新政研は複数回に分けて「民主党岩手県第4区総支部」(4区支部)や「民主党岩手県支部連合会」(県連)に計300万円、未来研も18年10月、2回に分けて4区支部や県連に計200万円を献金。両団体とも、18年10月以降、小沢氏側の関連団体以外への献金はなかった。この結果、解散時に両団体の資金の残高は889円しか残っていなかったという。
 西松関係者によると、西松がダミー団体を解散した背景には、不景気の影響や海外事業で300億円近い損失を出して、献金を継続する余裕がなくなったことがあるとされる。西松はダミー団体を解散して献金をやめる際、事前に大久保容疑者に相談して了承を得ていた疑いがある。
 両団体は、解散までの十数年間で計約4億8000万円を与野党議員らに献金していた。この間、小沢氏側に関しては、ダミーの政治団体2つを使った2億円近い献金に加え、「松栄不動産」などの子会社や、東北地方を中心とした下請け業者も使った献金もあり、小沢氏側に渡った献金の総額は、約3億円にのぼる疑いがあるという。》

▼【献金の底流】中・小沢氏と政治資金 突出する保有資産
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090312/crm0903120143002-n1.htm
《「今の法秩序にのっとって処理している。『その法がザル法だからけしからん』とか、『そんな脱法行為的なことをしてけしからん』とか、そういうたぐいの批判だ。今の税法の仕組みで許容されているいろんな特例や、税務署の裁量の余地がたくさんある。そこがけしからんということになったら、それに準じて処理している人は、みなけしからんことになる」
 民主党小沢一郎代表は新生党代表幹事だった平成6年2月、読売新聞で佐々木毅東大教授(当時)のインタビューに対し、政治献金の「適法処理」についての考え方をこう赤裸々に答えている。
 小沢氏はこれまで、自身の政治資金問題が浮上するたびに適法処理を強調し、その場をしのいできた。だが、それで疑惑が払拭(ふっしょく)されたわけではなく、西松建設のトンネル献金問題でも、報道各社の世論調査で7〜8割の人が「説明に納得できない」と答えている。
 小沢氏の資金管理団体で、公設第1秘書の大久保隆規容疑者(47)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=が会計責任者を務める「陸山会」をめぐっても2年前の19年、政界で大きな話題となった。
 国民の税金である政党助成金も含む政治資金(事務所費)で、都内の一等地などに計13件、約10億円相当の土地・マンションなどの不動産を次々に購入し、登記簿上の名義はすべて小沢氏となっている問題が報じられたためだ。
 資金管理団体が土地を買っているのは現職の国会議員で小沢氏だけ。仮に小沢氏が死亡した場合は法制上、これらの不動産は小沢氏の親族が相続することになる問題が指摘された。
 「資産として活用する方が、献金してくれた人の意見を大事にし、有効に使う方法だ」
 小沢氏は19年2月の記者会見で、不動産購入目的についてこう語った。だが、これでは何のために10カ所以上の不動産が必要だったかの説明になっていない。
 小沢氏の元秘書の1人は「小沢先生は体が弱く、休憩したいときにいつでもすぐ休める場所が必要だ。ホテルではくつろげないので、それにはマンションがいい」と語るが、国民には理解し難い言い分だ。
 小沢氏は記者会見で不動産について、「私個人としては何の権利も持たない」と主張し、所有者はあくまで「陸山会」だと主張したが、これも後に裁判で実質的に否定された。
 東京高裁は昨年6月、不動産問題について書いた週刊現代の記事に対し、小沢氏が名誉を傷つけられたとして発行元の講談社などに6000万円の損害賠償を求める訴えを起こしていた裁判で、請求を棄却した一審判決を支持して小沢氏の控訴を棄却。判決は「本件各マンションが陸山会のものであると断定することはできない」と認定した。
 また、「陸山会」を含めた小沢氏の政治団体や関係団体の保有資産が、繰越金と不動産だけで計30億円以上に上ることも政界で突出している。これらの政治団体の資金も不透明さを否めない。
 昨年9月公開の19年政治資金収支報告書によると、小沢氏側近の平野貞夫参院議員がともに会計責任者を務め、「関係団体だが、小沢氏自身の政治団体ではない」(小沢事務所)とされる「改革国民会議」の繰越金は11億1104万円、「改革フォーラム21」の繰越金は6億9036万円に上る。改革国民会議は小沢氏が党首だった自由党政治団体、改革フォーラム21は小沢氏が代表幹事を務めた新生党政治団体だ。
 また、小沢氏が党首だった自由党は15年9月26日の解党の2日前、合併相手の民主党菅直人代表)からなぜか2億9540万円もの寄付を受けた。一方、解党当日には、「改革国民会議」に13億6816万円(うち政党助成金から5億6096万円)を寄付するという不自然さを見せた。
 17年2月の衆院予算委員会で、自民党松岡利勝元農相(故人)は「政党助成金は、解散時に残高がある場合は国に返還しなければならない。自由党が解散日に政党助成金も合わせて約13億円以上の金を他団体に寄付したのは、返還逃れではないか」と指摘している。
 小沢氏の秘書を約20年間務め、今はたもとを分かった高橋嘉信衆院議員は昨年9月、産経新聞の取材に対し、こう答えていた。
 「自由党民主党と合併するときの(改革国民会議に寄付された)金には、国民の税金である政党助成金も含まれているとしか言いようがない。これは国に返すか、民主党の中で使途を検討すべきだ」

小沢一郎氏の政治団体総務省届け出分)の資産
(1)陸山会          10億8727万円
(2)誠山会           1億3145万円
(3)小沢一郎東京後援会        113万円
(4)小沢一郎政経研究会       2530万円
(5)改革国民会議       11億1104万円
(6)改革フォーラム21     6億9036万円
 総計           30億4655万円

※金額は繰越金(陸山会は不動産資産を含む)。
(5)、(6)について小沢事務所は「関係団体だが、小沢氏自身の政治団体ではない」と説明》