足利事件――2009年06月04日

▼菅家受刑者、異例の釈放へ 足利事件、再審無罪の公算大
http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009060401000202.html
《栃木県足利市で1990年、保育園女児=当時(4)=が誘拐、殺害された事件で、東京高検は4日、菅家利和受刑者(62)=殺人罪などで無期懲役確定=の再審開始を認めるとの意見書を東京高裁に提出した。菅家さんを服役先の千葉刑務所から同日午後にも釈放する。》

▼高検次席が会見「再審開始差し支えない」
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20090604-502716.html
足利事件無期懲役が確定した菅家利和さん(62)の再審請求に反対しない意見書を提出したことを受け、東京高検の渡辺恵一次席検事が4日午前、東京・霞が関の法務・検察合同庁舎で記者会見し、「われわれとしては再審開始しても差し支えないという意味です」と明言した。
 渡辺次席は公式コメントを紙で配布した後、記者との質疑応答に応じた。終始、淡々とした口調だったが「誠実、公正にこの問題に取り組んだ」と何度も強調した。
意見書の提出期限は12日だったが、渡辺次席は「必要な調査、検討の結果、新鑑定のひとつが無罪言い渡しに該当するのは否定し難いという判断に至った」と説明。
 釈放手続きについては「争いがないと判断した以上、身柄の問題だから速やかに手続きを進めたい」と述べた。》

▼古いDNA鑑定 証拠保存へ
http://www.nhk.or.jp/news/k10013427521000.html#
最高検察庁は、足利事件の捜査や裁判の問題点を検証する調査チームを設置するとともに、当時と同じような古い方式でDNA鑑定を行ったほかの事件についても、再鑑定に備えて証拠を保存するよう全国の検察庁に指示することを決めました。》

▼「静かに見守る」=当時の県警幹部−足利事件
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200906/2009060400686
菅家利和さんの釈放について、栃木県警で当時捜査に当たった元幹部は4日、取材に対し「適正、妥当に捜査した事件。今は、東京高裁の判断を静かに見守るしかない」と語った。
 元幹部は「すべてのあらゆる捜査をしてできることは尽くした」と振り返った。そして、「その思いは変わらないし、後悔もしていない」と語った。》

菅家利和さん「外はいいなあ」 笑顔も捜査当局には怒り
http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009060401000821.html
《「やっぱり外はいいなあ、と思いました」。足利事件で釈放された菅家利和さん(62)は支援者から花束を受け取り、顔をほころばせた。4日夕の記者会見。逮捕から17年半の歳月で、髪は白くなり、顔にはしわが刻まれた。「間違ったではすまない」。自白を強いた警察官や検察官への怒りの言葉を繰り返した。》

▼【足利事件】菅家さん会見(2)「体を揺すられ『白状しろ』」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090604/trl0906042324030-n2.htm
《−−1度は自白したが、そのときはどうしてそうなった
 「やはり刑事たちの責めがものすごい。『おまえがやったんだろ』『早く話した方が楽になれるぞ』といわれ、『やっていない』といったけど、全然受け付けてくれなかった」
 「平成3年12月1日の朝、自宅の玄関の戸をたたく音がして『何だろう』と立ち上がって開けたら、『警察だ。奥へ入れ』といわれた。奥に連れて行かれて『座れ』といわれ、刑事が『おまえは子供を殺したな』といってきた。『やってません』と答えたら、その時にひじ鉄砲でドーンとぶつかってきた。もう一人の刑事が真実ちゃんの写真を出し、『この子に謝れ』といってきた。それから警察に連れていかれた。その日は保育園の先生の結婚式に呼ばれていて、刑事にその話をしたが、『そんなことどうでもいいんだ』といわれ、ひどいと思った。絶対許す気持ちになれない」》

足利事件:菅家さん釈放 元幹部「信じられない」 /栃木
http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20090605ddlk09040064000c.html
《「ただただ信じられない。それ以外の言葉もコメントも思いつかない」。4日、菅家さんの釈放決定の報を耳にした県警の元捜査幹部(66)は「信じられない」という言葉を何度も繰り返し、動揺を隠せなかった。
 また、事件発生時、捜査を陣頭指揮した別の元県警幹部(75)は「警察の捜査は適正で妥当だった。釈放されたから、冤罪(えんざい)であるというわけではない」と語気を強め、当時の捜査の正当性を改めて強調した。
 物証に乏しく、頭打ち状態に陥った捜査で、逮捕の決め手となったのがDNA鑑定だったとされる。だが、この幹部は「(DNA鑑定は)証拠の一つに過ぎない。本人の自供があった他にも状況証拠があって、逮捕できた」と振り返る。
 さらに、今回のDNA型の再鑑定結果についても「20年の月日を経て、資料そのものが劣化したりなくなっている」と述べ、鑑定方法に問題があるとの見方を示した。》

▼「信じられない」と絶句 捜査関係者ら困惑
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20090605/156966
無期懲役から一転、菅家利和さん(62)が4日、釈放された。極めて異例の展開をたどる足利事件。捜査関係者は「信じられない」「重く受け止める」と一様に複雑な表情を浮かべた。一方、地元足利市の関係者は疑問や不安の声をあげる。「当時の捜査に問題があったのではないか」「真犯人は誰なのか」。事件が発生から20年を迎える中、真相を求める声が広がった。
 「刑の執行停止決定は重く受け止めている。今後、東京高等裁判所の審理の推移を見守り適切に対応したい」
 同日午後2時、県警は高田健治刑事部長のコメントを発表、白井孝雄刑事総務課長が読み上げた。今後の具体的な対応や当時の捜査について報道陣に問われると、「推移を見守り適切に対処する」と繰り返した。
 東京高検の指示を受け、刑の執行停止手続きを行った宇都宮地検も「重く受けとめている」(高崎秀雄次席検事)とコメント。県警には午前中に手続きの連絡をしたという。
 一方、事件当時の捜査幹部は「信じられない。何の言葉も浮かばない」と絶句。「再審で事実関係を明らかにしてほしい」と話したが、終始困惑した表情を見せた。
 「無罪が確定したわけではない。問題はこれから。法律に基づいて妥当な捜査をし、自供も得ている」。当時の県警刑事部長はあらためてこう強調した。元県警幹部も「(釈放は)検察が決めたことだから、何も言うことはない」と語気を強めた。》

▼「足利事件」捜査の元県警幹部ブログが炎上 「謝罪しろ」コメント殺到
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/05/news097.html
《「足利事件」で無罪が確定的となった菅家利和さんが釈放された6月4日、事件当時に捜査を陣頭指揮した元栃木県警幹部(75)のブログに批判コメントが殺到し、「炎上」状態になった。元幹部は昨年、菅家さんの再審請求が棄却された際、「最善の捜査を尽くしたもので、誤りでないことを再確認していただいた」などとブログで感想を述べ、これに対し批判コメントが集まっていた。現在、ブログは削除されている。
 炎上したブログは、元幹部が退職後の日々をつづる内容。昨年2月13日付けの記事で、足利事件の再審請求を宇都宮地裁が棄却したことに触れ、「捜査に携わった者として、感慨無量であります。当時として、最高、最善の捜査を尽くしたものであり、誤りでないことを再確認していただいたものと思っております」などと棄却を歓迎する感想を記し、新聞記事を複製した画像も掲載した。》