検証――2009年09月15日

▼検証 鳩山論文はどういう経緯で掲載されたのか?
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090915/stt0909152331026-n1.htm
《鳩山事務所によると、Voice誌に掲載された論文は、鳩山氏が政治哲学として掲げる「友愛」への理解を広げようと、鳩山氏側が7月にPHP研究所に持ち込んだもの。この論文の抄訳を、欧米メディアの中で真っ先に報じたのは、英紙フィナンシャル・タイムズだった。
 掲載を知った同紙の東京特派員、ミュア・ディッキー氏は発売日の8月10日に9月号を購入し、「民主党代表が米国主導のグローバリゼーションを攻撃」との記事を執筆した。記事は翌11日付のアジア版などに掲載された。同氏は「次期首相と目される鳩山氏の考えを知ることは重要で、すぐに記事にした」と話す。
 次に、フィナンシャル・タイムズ紙の記事をみて、米国の記事配信サービス会社「グローバル・ビューポイント」が動いた。同社編集局長のネイサン・ガルデル氏によると、日本での業務を委託している人物を通じVoice誌に転載の許可を求め、「民主党側も含め、転載を歓迎します」との回答を得たという。
 ガルデル氏の依頼を受けた人物は大地舜氏。英作家、グラハム・ハンコック氏の世界的ベストセラー「神々の指紋」の翻訳者としても知られる。
 大地氏によると、Voice誌側にはまず、電話で許可を求めた。ただ、そこで出した名称は「グローバル・ビューポイント」ではない。「『ロサンゼルス・タイムズ・シンジケート』の政治コラムに転載したい」と伝えたという。
 「ロサンゼルス・タイムズ・シンジケート」も記事を配信しており、かつては米紙「ロサンゼルス・タイムズ」の一部門だった。大地氏が依頼を受けたグローバル・ビューポイント社は、シンジケート社の政治コラム、論説記事などを扱っているという。
 「ロサンゼルス・タイムズ・シンジケート」と「ロサンゼルス・タイムズ」−。この名称のまぎらわしさが、転載の許可にあたり“誤解”を生んだようだ。
 Voice誌編集長の中沢直樹氏は「『シンジケート』という言葉は記憶にない。依頼はあくまで『ロサンゼルス・タイムズ』紙だけへの論文転載という認識だった」と振り返る。一方、大地氏は8月12日付でVoice誌側にファクスで文書を送り「世界100の新聞に配信、15の言語に翻訳され、読者数は3千500万人になる」と説明したとしている。
 Voice誌側は「転載の際には『Voice』のクレジットを入れればオーケー」と回答した。論文は鳩山氏のホームページに英語、韓国語訳とともに掲載されており、その英文を転載にあたっては使用するとの条件を付けた。論文は長文であるため、一部を省略することは可能だとした。

 鳩山氏側への了承とりつけはどうだったのか。
 中沢氏は鳩山事務所の芳賀大輔秘書に連絡し「ロサンゼルス・タイムズ紙に原稿が転載される。そのままでは長すぎるので、むこうが要約のような形にする」と伝え、了承を得たという。一方、芳賀氏は「版権があるので、(転載許可を求めた社は)PHP研究所との間でやり取りしたようだが、転載にあたり事務所に事前に許可を求めることはなかった」としている。
 かくして論文は配信された。それは原文よりかなり短く、前後の順番が入れ替えられるなど手が加えられている。“加工”された「最終原稿」を、Voice誌と鳩山氏側はチェックしなかったようだ。
 論文がニューヨーク・タイムズのウェブサイトに掲載されたのは8月27日。新聞そのものには載らなかった。また、厳密にいえば、ニューヨーク・タイムズが発行し、ウェブサイトは完全に同紙と統合されている国際紙「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」の掲載だった。
 こうした経緯をみると、鳩山氏が「寄稿した事実はない」というのは確かだ。》

▼首相会見の出席枠拡大 民主党記者クラブに申し入れ
http://www.j-cast.com/2009/09/15049680.html
《2009年9月16日に開かれる、民主党鳩山由紀夫代表の首相就任記者会見への出席枠拡大を民主党記者クラブに申し入れていたことが分かった。今回は記者クラブ員以外に外国特派員など一部の出席が認められたものの、ネットメディアは除外した。鳩山代表は以前から、首相官邸入りすれば会見をオープンにする意向を示していたが、それは実現されないことになる。》

[参考]民主党 記者クラブ開放の公約を反故に 神保哲生 x 上杉隆
http://www.youtube.com/watch?v=kdi_xB0_c4o