西松建設を巡る疑惑 まとめ Vol.6

▼小沢氏秘書逮捕:「隠れみの献金」に警鐘 露骨な西松手法
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090304k0000m040139000c.html?link_id=TT001
小沢一郎民主党代表の会計責任者が逮捕された背景には、企業が政治団体を隠れみのに献金し、政治家に接近する行為が後を絶たない実態がある。社員を政治団体会員に仕立て会費を負担させ、賞与で補てんする西松建設のやり方はあからさまといえ、捜査はこうしたからくりをあぶり出し、違法な企業献金に警鐘を鳴らす意味を持つ。
 政治資金規正法は1948年の制定後、たびたび不備が指摘され、改正を繰り返してきた。政治家の資金管理団体への企業献金は00年以降全面禁止となったが、政党支部への献金政治団体からの寄付は認められており、「抜け穴」は存在するとの批判は強い。企業献金の禁止と引き換えに、政党助成金が導入された経緯から考えても、政治家や企業の現状認識は甘いと言わざるをえない。
 今回、西松建設による不正な献金与野党議員や地方自治体の首長を問わず行われており、特捜部も広く捜査を進めてきた。その中で、小沢代表の資金管理団体への献金額が他の政治家と比較して突出して多かったため、立件を優先したとみられる。地検幹部は「(逮捕された)会計責任者は違法献金だったと知っていたのは確実」と断言する。
 ただ、政界や法曹関係者の間では、「なぜ小沢代表の団体だけなのか」「今回の虚偽記載の額(2100万円分)が今後、立件の有無を判断するハードルになるのか」との声も聞かれる。特捜部は真相解明とともに、こうした疑問に対し丁寧な説明を迫られるだろう。》

▼小沢代表:故金丸氏以来の結びつき…西松建設献金の背景に
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090304k0000m010145000c.html
西松建設が小沢代表の資金管理団体に多額の献金をした背景には、同社と故金丸信・元自民党副総裁の深い結び付きがあったとされる。
 元役員の一人は「政界で、うちと最も関係が深いのは、経世会自民党竹下派)と金丸先生だった」と話す。「竹下派七奉行」の中で、金丸元副総裁が特に重用したのは小沢代表だった。「東北・北関東では王様」(同社関係者)と呼ばれるほど小沢代表は建設業界に強く、西松建設は92年の金丸元副総裁の議員辞職後、結びつきを強めるようになったという。》

▼小沢氏秘書逮捕:他の野党も動揺 協力関係に影響も
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090304k0000m010146000c.html
民主党小沢一郎代表の公設第1秘書、大久保隆規容疑者(47)が政治資金規正法違反容疑で3日、逮捕されたことは、他の野党にも動揺を広げた。共産、社民、国民新の3党は当面、小沢氏自身の説明など、民主党の対応を見守る構えだが、次期衆院選に向けた協力関係にも微妙な影響を与えそうだ。
 共産党穀田恵二国対委員長は「重大な問題だ。小沢代表に説明責任がある」と述べた。さらに穀田氏は「ほかにも自民、民主両党の議員が多額の献金を(西松建設から)受けている」と指摘し、今後追及する姿勢を示した。
 社民党重野安正幹事長は「驚き以外の何ものでもない。見守るしかない」としつつ、「疑問を解くのは小沢氏なので、堂々と事実を述べてもらいたい」と語った。
 国民新党亀井久興幹事長は「政治的に影響が大きい」と指摘し、「捜査が進んでいく中で小沢氏がどう判断するか見守っていきたい」と述べた。》

▼解散政局不透明に=小沢氏秘書逮捕、衝撃走る
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009030301036
小沢一郎民主党代表の公設秘書が3日、政治資金規正法違反容疑で逮捕され、政界に衝撃が走った。事件は、麻生政権への攻勢を強めてきた民主党の国会戦略に影響を及ぼすのは確実。一方、与党内の一部には敵失に乗じた早期の衆院解散論も出ているが、事件の広がりが見通せないこともあり、大半は「様子見」の空気が強い。政局の行方は一層不透明となりそうだ。
 麻生政権は中川昭一前財務・金融相の辞任などで支持率が低迷、苦境が続いているだけに、小沢氏に絡む今回のスキャンダルに対し、与党からは「神風だ」(自民党若手)との声が上がった。
 同党の細田博之幹事長は、記者団に「小沢事務所に強制捜査が入ったということは、(東京地検に)ある程度の心証があると思うが、コメントは控えたい」と指摘。公明党北側一雄幹事長は「大きな政党のトップだから、今後どういう事態に展開していくか」と、捜査の進展に「期待」を示した。同時に「国会情勢にも大きな影響を与える」と語った。
 反転攻勢のきっかけを得たことで、早期解散論に言及する意見も出始めている。麻生太郎首相は当面、2009年度予算案と関連法案を早期に成立させるとともに、追加経済対策を盛り込んだ09年度補正予算案を編成。外交日程もこなしつつ解散の時機をうかがうのが基本戦略とみられるが、自民党参院幹部は3日、「解散は早まるかも」との見方を示した。
 ただ、首相自身は同日夜、記者団に「今、経済対策と景気対策をやっている。これがすべてだ。解散時期なんて関係ありません」と述べ、解散判断が事件によって左右されることはないと強調。自民党各派の領袖からも「解散うんぬんには直接関係ない」(町村信孝官房長官)「敵失を理由に解散する麻生さんではない」(伊吹文明元幹事長)とのコメントが上がった。
 政府・与党幹部らがこう語る背景には、与党側にももろ手を挙げて歓迎できない事情がある。ゼネコン準大手の西松建設は永田町では名の知れた「政治銘柄」で、同社との関係では現職閣僚や自民党実力者の名前も取りざたされている。ある町村派若手は「こっちに飛び火するかもしれない。対岸の火事ではない」と警戒感を隠さない。
 一方、民主党鳩山由紀夫幹事長は3日、記者団に「民主党は国民から、麻生政権を倒してしっかりした政治を行えとの信頼をいただいてきた。そこを失ってはいけない」と述べ、早期解散に追い込む戦略に変わりはないと強調した。ただ、党内では「党の支持率は間違いなく下がる」と、衆院選に向けた勢いがそがれることへの危機感が漏れている。》

▼逮捕の第一秘書、小沢代表の信頼厚く…
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20090303-467110.html
東京地検特捜部に3日、政治資金規正法違反容疑で逮捕された小沢一郎民主党代表の公設第一秘書大久保隆規容疑者(47)は、岩手県釜石市議を経て公設秘書になった。「小沢代表の信頼も厚い」(民主党関係者)といい、西松建設からの違法献金の受け皿となったとされる資金管理団体陸山会」の会計責任者だけでなく、別の政治団体の代表も務めている。
 大久保容疑者は1961年生まれ。進学校として知られる釜石市内の県立高校を卒業し、民間企業に勤務した後、釜石市議に1991年に初当選した。
 2期目途中の1999年には釜石市長選で惜敗。衆院選への立候補を表明したこともあったが、後に撤回した。
 大久保容疑者の市議時代を知る釜石市議は「パフォーマンス上手な雄弁家だった」と振り返り、「議場で突然、大声でヤジを飛ばすこともあった」という。
 小沢氏に近い元民主党衆院議員の達増拓也岩手県知事は「立派な秘書。日本の改革を実現しよう、新しい政治をつくっていこうということで一緒にやってきた」と述べた。》

西松建設与野党幹部に幅広く献金
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20090303-467111.html
西松建設OBが代表をしていた「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」は2006年末に解散するまで、小沢一郎民主党代表の資金管理団体陸山会」だけでなく、森喜朗元首相ら与野党幹部側にも献金やパーティー券の購入などで計約4億8000万円を支出。政党の県連、支部などにも幅広く献金していた。
 04〜06年の主な支出先は、小沢代表、森元首相のほか、自民党尾身幸次財務相資金管理団体二階派政治団体山岡賢次民主党国対委員長の後援会など。民主党岩手県連や自民、民主の地方支部にも支出していた。
 支出額は1団体に対し年間100万〜300万円が中心。陸山会への支出が計700万円に及ぶ年もあった。
 西松建設関係者らの話によると、同社の課長級以上の社員から会費を集め、献金先の指定は土木、建築の各営業本部が管理本部を通じて総務部に指示。OBが会社を訪れた際に伝えていたとされる。》

▼小沢氏秘書逮捕:国会議員も衝撃 民主党議員「なぜ?」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090304k0000m010111000c.html
小沢一郎代表の秘書逮捕は、年内に衆院選を控えた国会議員の間にも大きな衝撃をもたらした。
 警察庁OBで自民党平沢勝栄衆院議員(63)は「政治への信頼がどん底の時だけに極めて残念。国民は失望を通り越し、絶望すると思う。しかし、これを政局に利用すれば政治離れがいっそう進むのは目に見えており、万が一にもあってはならない」と話した。
 民主党議員のマルチ商法業界との関係を追及している自民党の「マルチ疑惑追及プロジェクトチーム」の脇雅史参院議員(63)は「民主党はマルチ業界から不透明な献金があったと指摘されても、十分な説明をしていない。小沢代表は昔の金権政治を引きずっているような人物で、政治と金の問題に真摯(しんし)に向き合う姿勢がないのではないか」と糾弾した。
 一方、民主党議員は口が重い。小沢代表を支える「一新会」所属の小宮山泰子衆院議員(43)は「西松建設事件では、自民党の大物議員の名も挙がっていたはず。なぜ小沢代表なのか、なぜ解散・総選挙が近いこの時期なのか」と反発する。別の一新会所属議員の秘書も「捜査次第では選挙に大きな影響が出る。当局の力で民主を追い込もうとする自民の悪あがきだ」と憤った。》