西松建設を巡る疑惑 まとめ Vol.10

▼小沢代表への疑念、民主党内で広がる…執行部は沈静化図る
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090304-OYT1T01000.htm
民主党の小沢代表の資金管理団体陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で、陸山会が政治献金を受け取る際、西松建設に請求書を出していたことなどが4日明らかになり、民主党内では小沢氏の政治資金の処理に対する疑念が広がっている。
 小沢氏の自発的辞任を促す声も収まっていない。
 民主党は4日、代議士会と参院議員総会を相次いで開き、小沢氏が記者会見で献金の違法性を否定したことを踏まえ、小沢代表体制のもとで結束を図る方針を確認した。鳩山幹事長は代議士会で「衆院選を間近に控えており、検察側に政治的な意図があったと疑われて当然ではないか」と捜査の不当性を訴えた。
 また、次期衆院選の公認候補らに、小沢氏の記者会見要旨を送付。捜査を「遺憾だ」とする幹事長談話も送った。党内では、執行部が沈静化を図っていることに加え、党内対立の露呈を避ける狙いもあり、小沢氏に早急な辞任を求める声は出ていない。
 ただ、小沢氏の記者会見後に陸山会をめぐる新たな事実が出てきたことに、党内の動揺は大きい。執行部に批判的な議員は「企業献金と認識していなかったという小沢氏の説明と矛盾が生じれば、代表の座にはとどまれない」と語った。
 党内では「執行部がそろって小沢氏を擁護した以上、小沢氏が辞任に追い込まれれば、鳩山氏らほかの幹部も責任は免れない」と執行部の対応を批判する声も出ている。》

▼【関連】時効控え着手急ぐ 検察OB、時期に疑問も
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009030402000213.html
《かつて田中角栄元首相を受託収賄容疑で逮捕したこともある東京地検特捜部は、捜査が国政選挙や政局に与える影響を考え、捜査着手のタイミングを慎重に見極めてきた。総選挙が間近とされるこの時期、なぜ「総理に一番近い男」の腹心の逮捕に踏み切ったのか。四日の記者会見で検察と徹底抗戦する姿勢を鮮明にした小沢氏の捜査批判に、検察はどう応えるのか。
 「政治団体を間に入れた悪質なスキームだから、着手せざるを得なかったのだろう」
 特捜部長経験者は、今後の捜査を見守りたいとしながら、着手のタイミングは「本来は疑問を持たれない方がいい。時期が悪い」と漏らす。
 自民党の一党支配が長く続いた時代、ロッキード事件リクルート事件を摘発した特捜部は政府・与党と対峙(たいじ)する「最強の捜査機関」として存在感を示した。
 自民党との緊張関係から、政界事件の着手は選挙前を避けるなど抑制的だった。しかし、今回は来年度予算成立の直前で、「五月にも総選挙か」とささやかれる微妙なタイミングでの着手だ。
 西松の政治団体から小沢氏側への献金は二〇〇〇年以降八千三百万円に上る。時効にかからない分が二千百万円だった。
 特捜部幹部は「二千百万円という少なくない金額の供与は見逃せない。きちっと立件すべきだと判断した。(小沢氏以外の政治家でも)当然やらなければならない話だ。規正法の条文に従ってやっていく」と話し、受領した額が突出した点などを重視したと説明している。逮捕容疑の一部が今月中に時効になることも着手を急いだ背景にあるとみられる。
 昨年秋、「選挙の顔」として就任した麻生首相は解散に踏み切れないまま約半年が経過した。「政界はずっと選挙、選挙って言っている。政局が動いているから事件ができないと言ったら、いつまでたっても捜査はできない」。ある検察幹部は「恣意(しい)的な捜査だ」という意見に反論する。
 今後は、西松建設のダミーである政治団体を通じて寄付を受けた小沢氏以外の政治家側をどこまで立件するかが焦点だ。特捜部長経験者は「自民党側の秘書も立件しなければバランスが悪い。大変なものに手を付けたという印象だ」と話す。》